来たるはブロンド貴公子とプラチナ軍人(?)……です。
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……なんとなく、なんとなくそんな声が聞こえた気がした。
「先に降りとくからな。」
俺は三人にそう言って部屋を後にした。
それから数分後。ちゃんとした服を着た蘭と鈴が俺たちの前に座り、何やら二人は牽制しながら飯を食っている。
そんで、他愛のない世間話から逸れていって俺が春奈と寮で暮らしていると聞いた蘭はなぜか取り乱した。
「し、寝食を共にしているってことですかっ!?」
「いや、俺らは姉弟だぞ。一線を越えることはない。」
俺はプライベートでお互いの干渉はしないという意味でそう言ったのだが、蘭は再び硬直した。
そして、しばらく沈黙する蘭は何か考えているようにも見える。
「決めました。私、来年IS学園の受験を受けます!」
バンッとテーブルを叩きながら立ち上がる蘭に若干驚く。いや、そりゃそーだろ。
「はぁ!?」
鈴が間髪入れずに反応した。それに遅れて弾が―――おいコラ止せ……と制止しかけたが間に合わず。
ガタタッと椅子をひっくり返しながら立ち上がる弾。
「お、おま!?何言ってんだよ―――「飯食ってる間に立つんじゃねぇ!」」
厳さんが声を被せながらお玉を投げる。
スコーンッと小気味のいい音と共に弾がひっくり返る。厳さんは食事中のマナーに厳しい人で俺もよくこんなふうに殺人級お玉(そこまでじゃないが)を食らわされたことがあった。
……蘭や春奈、鈴にはお玉を飛ばさないんだけどな。
しかし、この話は非常に勿体無い。と言うのも蘭が通っているのは聖マリアンヌ女学園の中等部。成績次第で高校、大学までエスカレーター方式の進学ができる学校だ。
「それ、なんか勿体無くないか?」
「そうだよ、一夏もいってや―――「お兄?」……ハイィィィッ!!」
蘭に睨まれてビシッっと気を付けの姿勢になる弾。そのままカクカクした動きで椅子を戻し座ると沈黙。何も言わなくなりもそもそと食事を再開した。
「弾。」
「ナンデショウカ?」
片言になる弾……怯えすぎだろコイツ。目が動揺に染まっていた。
「お前もいろいろ苦労してるんだな。」
「……そう言ってくれるだけで俺は―――(グスンッ」
「「……え?」」
半泣きの弾に俺と鈴は戸惑った。……でもまぁこれが五反田弾の平常運転だったんだよな。
―――て、いかん。飯が覚めると勿体無い。俺は食事を再開した。
「IS学園に来たらまぁ……教えてあげなくてもないけど?」
「む……下克上上等です!」
うん。あっちやこっちは準戦闘状態。俺は中立を保つことにして、無心に飯を食った。
「……おい、一夏。飯食ったらゲーセン行こうぜ。」
「いいが何するんだよ?」
「……エア
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