決戦の後に
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年学校ではなく、本当の戦場の厳しさというものを知ることができたことに、悔しさや怒りよりも嬉しさを感じている。
考えれば、装甲車が動かない為勝てるなど机上の空論で、あまりに稚拙な考え。
それを是正してくれたことには、ありがたいと感じる。
このまま勝ち続けていれば、いずれラインハルトは勝ちを当然と思っていた事だろう。
行動すれば勝つのだと、あまりにも馬鹿馬鹿しい考えだ。
勝つためには策が必要で、最大限に準備を行う必要がある。
そして。
静かに扉を開き、かかっていたタオルで頭を拭いた。
勝つ事が目的ではない。
目的は。
誰にも聞こえぬほどに静かに口を開き、ラインハルトは乱雑に頭を拭く。
「戦争と言うものを教えてくれた事はありがたいが……。それでも負けっぱなしというのはあまり嬉しいものではない」
身体にタオルをかけながら、シャワールームを出れば、そこにずっと立っていたのだろう、彼の幼馴染であり、忠実な赤毛の少年がいた。
心配げにこちらを窺うキルヒアイスに、ラインハルトはゆっくりと唇をあげた。
「次は勝つぞ」
「はい、ラインハルト様」
不敵な笑みを浮かべるラインハルトに、キルヒアイスは同意するように頷いた。
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