第七話 三人目その十一
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「今度身体検査を受けてくれるかな」
「それで能力とかもか」
「調べるのですね」
「うん、そうしたいんだ」
だからだというのだ。
「いいかな」
「ああ、それで何かわかるんならな」
「お願いします」
「僕の見たところ気かな」
それではないかとだ、ここでこう言った智和だった。
「武道でもあるあれだね」
「ああ、あれな」
薊が智和の気という言葉に応えた。
「硬気だよな」
「うん、それじゃないかな」
「あれな、けれどな」
「相当な使い手でないと使えないね」
「中国拳法でも奥義の一つだよ」
まさにそれだというのだ。
「だからな」
「普通は出来ないね」
「ああ、出来ないよ」
到底というのだ。
「とてもな」
「天枢さんも巨門さんもかな」
「あたしもそこまではな」
中国拳法の奥義を身に着けていることはというのだ。
「達人じゃないよ」
「私もです」
菖蒲もこう智和に答えた。
「そこまでの腕では」
「しかも何で炎なんだ?」
「水や氷でしょうか」
「それもわからないね。だからね」
「そうしたこともな」
「調べるのですね」
「そもそも君達の身体能力も」
それもだとだ、智和は話す。
「炎出せる様になって急になんだよ」
「私もです」
菖蒲は水氷だが同じというのだ。
「動きがよくなってな」
「耐久力や防御力もあがりました」
「そういうのも変わってな」
「格段によくなりました」
「そうだね、そこもね」
その辺りもだというのだ。
「僕は気になっているんだ」
「それあたしもだよ」
「私もです」
二人にしてもだった、当然ながら。
「何で急にってな」
「覚醒した様にそうなっています」
「その辺りどうしてもな」
「わからなくて」
「そうだろうね。だからこそね」
調べるべきだというのだ、その身体を。
「精密検査になるけれどいいかな」
「ひょっとしたらそこで身体のやばいところわかるかも知れないしな」
「そうです、ですから」
二人は智和に二つ返事で応えた。
「じゃあな」
「お願いします」
「うん、では今度ね」
智和は二人にこう言葉を返した。
「精密検査を受けてもらうよ」
「何か何かとな」
「謎ばかりですね」
「謎が全部謎でな」
「全く動きがないです」
「謎はわからないものも多いよ」
この現実をだ、智和は二人に話した。
「解くことが絶対に出来ない謎もないけれどね」
「解くことが難しい謎もある」
「そういうことですね」
「うん、つまり今僕達は解くことが難しい謎にばかり囲まれているんだ」
こう二人に話す。
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