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万華鏡
第六十八話 秋深しその一
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それ芥川の遺稿だったけれど」
 この時点でまずいと思えればそこそこ日本の近現代文学に通じていると言えるだろうか。芥川の遺稿と聞いて。
「芥川も自殺してるじゃない」
「授業で先生言ってたね、そういえば」
 尚これは太宰もである。自殺した作家といえばこの二人を挙げる者が多い。
「何か精神的にやばくなって」
「そのやばくなった時期の作風よ」
 まさに自殺する直前のだ。
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