シルフィードの一日
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は、ご近所づきあいというものがあるのね。嫌われたら、居心地悪いのね!おまけに怖がられたら傷つくのね!」
きゅいきゅい喚くシルフィード、それにフレイムが
「青いの。繰り返すが、贅沢言ってたら始まらないよ。ほら、そこの彼見てみ?」
とフレイムがあごをしゃくった先で黒髪の少年が水汲み場で必死になって洗濯している。
「ああ、あの彼か。ギーシュさまをやっつけた・・・。ぼくは複雑な気分だよ。同じ使い魔として、貴族をやっつけた彼が眩しいけど、ギーシュさまを痛い目にあわせた仇でもある」
「昔の話じゃないか。とにかく、彼は立派な使い魔、まさに使い魔の鏡だとぼくは彼を尊敬している。だが、彼の扱いを見たまえよ」
と彼の主人の少女が彼の背後に現われ、背中を蹴り飛ばし、頭から水汲み場に突っ込ませた。彼はびしょぬれになり主人に抗議するが主人の少女は使い魔の股間を蹴り上げた。
「あれは痛い。いや、痛いなんてもんじゃないぞ」
その後も主人にうずくまってる所を踏まれて怒鳴り散らされる。
フレイムはため息をもらし
「彼は素晴らしい手柄を主人にもたらした使い魔なのに、あの仕打ちはどうだい?彼はしかも人間じゃないか。二重の意味で、あの扱いはない。ないよ。凶暴なんて言われるぼくら火とかげだって驚く虐待っぷりだ」
「それに比べたら、青いの。きみの悩みは贅沢だね。近所に住む人間にどう思われたっていいじゃないか。怖がられるのがいや?贅沢すぎる!贅沢すぎるよ!」
と仲間達に言われもっともだと思うシルフィード、きゅいと哀しげな声を漏らす。テテはそんなシルフィードをじっと見ていた。
その後、
シルフィードはテテにアルのところに連れて行かれ、アルに相談した。
アルはなにやら報告書?らしき紙を一旦机に置き
「大丈夫だ、シルフィード。悪魔の俺にだって理解者ができたんだ。お前にも理解者ができるさ。これからねぐらに戻るんだろう?俺も行く、少しだけだがな」
そしてねぐらに向かった。
ねぐらの近くには、魚が置いてあり、その近くに紙が置いてあった。
アルは紙を拾う。
「これは、手紙のようだな」
「なんて書いてるのね?」
『竜さんへ。さっきは怖がってごめんなさい。竜さんは、親切にわたしの忘れた籠を届けてくれたのに、わたしは怖がってしまいました。わたしが同じことされたら哀しいです。だから謝ります。ごめんなさい。ママは竜さんを怖い生き物だと言ったけど、わたしはそうじゃないと思います。このお魚は籠を届けてくれたお礼です。このお手紙は、神官さまに書いてもらいました。また遊びに行ってもいいですか?ニナ』
「だとさ、早速理解者ができたようだな」
そういって、シルフィードに微笑む。
シルフィードは嬉しく
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