シルフィードの一日
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な?けど揉め事はごめんなのね」
シルフィードは変化を禁じられている。揉め事は嫌なので学院に早く戻ろうと思ったが
テテのほうに向くと
「ッテ!」
「あの子に忘れ物届けた方がいいって、確かにあの子も野いちご食べたいと思うのね」
シルフィードは学院で最近はまっている魚を食べたいようにきっとあの少女も・・・と考え
「こっそり行って、家の前にでも置いてくればいいのね。きゅい。そうすれば騒ぎにもならないのね」
「ッタ!」
テテは籠を持ち上げ、シルフィードの上に飛び乗る。
村はすぐに見つかった。人の足で三十分ほど、シルフィードなら数分の距離にその村はあった。
シルフィードはニナの家を探した。でも、どこかわからない。計算違いだった。
そうこうするうちに、村人に見つかり
「うわああ!竜だ!竜!」
カンカンカンと鐘が鳴らされ、家から出てきた村人達は怯えた表情をする。
あちゃあ、困ったことになったな、と思いながら地面に着地するとさらに騒ぎは拡大した。
「降りてきやがった!いったい何しにきやがった!」
「おそらく、そこの学院の貴族の使い魔だろ?平気じゃねえのか?」
そういう声もあるが、少数ですぐに最強の種族への恐怖が村人を襲い
「出て行け!ほら!はやく!」
棒やクワでシルフィードは追い立てられる。テテは上に乗っているものの気付かれていない、シルフィードが動くのでテテは籠の中身をこぼさないようにしている。
そしてシルフィードは自分を取り巻き見つめる村人の中に、母親らしき女性のスカートにしがみつくニナを見つけ、ホッと安心した。彼女なら自分を見ても怖がらない。
「きゅい」
ちょこちょこと近づくシルフィードの耳に飛び込んできたのは、ニナの母親の悲鳴で
「きゃああああああああ!食べられちゃう!誰か!誰か助けて!」
シルフィードは母親を安心させようと首を振るが恐怖を鎮めることはできなかった。
でもニナは怖がらないはずだと思った。だがシルフィードの期待は裏切られた。
ニナは母親とシルフィードを交互に見つめ
「この竜さん、怖いの?」
「そうよ。竜はとても恐ろしい生き物なのよ。まあ、・・・おとなしい所を見ると、魔法学院の貴族の使い魔ね、きっと。でも、放し飼いになんてしないで欲しいわ!ああ、竜なんて縁起でもない!いつ野生にかえるかしれたもんじゃない!まったく、貴族さまがたときたら自分の部屋と森の区別もつかないんだから!」
「そうなの?ほんとに怖いの?」
そこまで言う母親の言葉に少女の顔は恐怖で歪んだ。
「ほんとよ。竜はもともとこの世で一番凶悪で、強い生き物なの。そんな獣を飼いならす貴族さまがたはもっと怖いけどね」
「竜怖い・・・。怖
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