第五章 StrikerS編
第百六十三話 『決戦(7) ライトニングの決着』
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治るのか!?」
そこにアギトがパァッ!と嬉しそうな顔をして見てきた。
「…いや、無理だ。俺の体はもうとうの昔に限界を越えている。だから後は死を待つのみなのだぞ?」
「それを覆すのがシホの能力だ」
「シホというと、シュバインオーグ一尉の事か?」
レジアス中将がそう聞いてきた。
私はそれに応えるべく、懐からあるものを取り出す。
「その通りだ。シホは聖なる錬金術師の担い手…ゆえにこんなものを私に託してくれた」
その瓶をテーブルの上に乗せる。
「これは…?」
「秘薬、“エリクシール”…。どんな難病、死の病、体の病気を瞬く間に健康状態にまで全快させる万能薬だ」
「そんなものが…」
「旦那! 飲んでくれ! あたしは飲まなきゃ怒るからな!?」
「しかし…俺は一度死んだ身なのだぞ? 効くのか?」
「今ここで生きている以上は効いてもらわなければ困る。シホはこの薬を製造・限定生産態勢に漕ぎ着けるまでに3年もの歳月をかけたのだからな。使われた方がこの薬も幸せだろう」
それでゼスト殿はしばらく葛藤していたが、
「ゼスト…。飲んでくれ。お前はまだ生きていていいのだ」
「レジアス…わかった」
レジアス中将の一声で決心したらしく、ゼスト殿はそれを一気に飲み干した。
するとわずかだがゼスト殿の体は光りだし、そして、
「お、おお、おおおおおーーー!!? なんだ!? 今まで俺の体を苦しませていた痛みがなくなっていく!? それどころか魔力が、溢れてくる…!」
「旦那ァ!」
アギトが涙を浮かべてゼスト殿に抱きついている。
それほどに嬉しいのだろう。
「さて、これで私の役目は済んだな。ゼスト殿、罪は生きている限り償える。だから死のうとは決して考えるな?」
私がそう言うと、
「…ああ。死を覚悟していた俺にもう一度チャンスをくれて感謝する。八神士郎二尉」
「あの、その…旦那のことを救ってくれて、ありがとな! 士郎さん!」
「気にするな。私が助けたかったのだからな。そして私の目の黒いうちは私の信念故に悲劇など生み出させんさ。
…まぁ、その感謝の想いはありがたくもらっておこう。ああ、それとシホにも後で感謝の言葉を言うのだな」
「ああ。そうだな、そうさせてもらおう…」
それでゼスト殿は目をつぶる。
「あ! そうだ! 旦那、ルールーを助けにいかないと!」
「しかし、俺はもう逮捕されるのだろう…?」
「ええ、残念ですが…ですが、今、報告がありました。ルーテシアは私達の部隊のものが保護したという話です」
「スカリエッティは…?」
「そちらもテスタロッサ執務官が逮捕したそうです」
「そうか…ならばもう安心だな」
それでゼスト殿は指に嵌めてある指輪をシグナムに渡す。
「こ
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