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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第8話:新メンバーを選抜せよ−2
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「迷っててもしょうがないし、行きますか!」

ゲオルグは意気込んでそう言うと、魔力反応が探知された辺りに
ガジェットを向かわせると、自らも移動を始めた。





『観測ポイントBです。敵ガジェットを発見しました』

模擬戦の開始から10分ほどして、探索に出た隊員の一人から
ガジェットを発見したという報告がエリーゼに入る。

「何機いますか?」

『自分が発見したのは1機です』

「1機ですか・・・」

隊員の報告を聞いたエリーゼは腕を組んでやや目線を落として考え込む。

(まず間違いなく偵察よね。 問題は向こうがこっちを見つけてるかどうか・・・)

「ガジェットの動きはどうですか?」

『特に動きはありませんね。 その場でじっとしています』

「そうですか。 ではそのままその位置で偵察を続けてください。
 これから向かいますので、何かあったらすぐに連絡を」

『了解しました』

偵察に出ている隊員からの通信が終わると、エリーゼは他の偵察要員全員に向けて
通信を繋ぐ。

「シュミットです。 観測ポイントBで敵ガジェット1機が発見されました。
 本隊はポイントBに向かいますが皆さんは各自の持ち場で偵察を継続。
 何かあればすぐに連絡してください」

エリーゼは伝えたいことだけを話すと通信を切って、
側に居る5人の隊員の方へ向き直る。

「聞いての通り私たちはこれから敵が発見されたポイントBに向かいます。
 おそらくポイントBに偵察員がいることは向こうに察知されているでしょう。
 なのでポイントB付近、あるいはそこに向かう途中で敵と遭遇する可能性が
 高いと思いますのでそのつもりで。 何か質問は?」

隊員たちに向かって少し早口でこれからの動きについて話すと、
エリーゼは自分の前に立つ5人の隊員たちを見まわした。
しばらく待っても誰も発言しないところを見てエリーゼは小さく頷いた。

「では、行きましょう!」

エリーゼは力を込めてそう言うと、先頭を切って歩き出した。





廃ビルが立ち並ぶ街路をゲオルグは歩く。
その眼前には指揮下のガジェットの位置を表すマップが表示されている。
マップの中のマーカは最初に魔力反応を探知した機のところに集まっていく。
そして、ゲオルグ自身もその地点に近づきつつあった。

(さて、と。この辺でいいかな)

ガジェットの集結地点から100mほど離れたところで足を止め、
周囲の廃ビルをぐるっと見まわしたゲオルグは、その中で最も高いビルに
目をつけ、その中に入っていった。
ところどころ崩れかけた階段を上り屋上へと出る。
照明もなく暗い室内から外に出て、ゲオルグは日の光のまぶしさに目を細める。

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