ミノタウロス
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もやられてるしな。
小さい体から氷のような威圧感を放ちながら、タバサは小さな声で問う。
「あなたたちは、何者?」
「み、見ての通り人売りでさ」
「こいつら!このシルフィをモノ扱いしたのね〜〜〜!許せないのね!」
「ほら、仕返しは後だ、縛り上げるぞ」
「はいなのね!」
俺とシルフィードは男達を縛り上げ、俺は棒手裏剣も回収しつつ男達の武器を拾う。
「お兄さまが言っていたのはこのことだったのね?お姉さまもそれに気付いていたのね?」
「確証はなかった」
「二人ともいつ気付いたのね?」
タバサはこちらを見る。説明して欲しいらしい。
「まず手紙だな、ミノタウロスって化け物が書いたにしちゃ整いすぎてるように感じた。それと、ミノタウロスは人を食うような化け物なんだろ?」
「きゅい、そうなのね」
「そんな化け物が娘を指定するなんておかしくないか?若い娘なら誰でもいいはずだろ」
シルフィードはじっとこちらを見て。
「……なんでシルフィに黙ってたのね」
「敵を欺くには、味方から」
「お兄さまは知っていたのね!」
「彼は自分で気付いた」
「うう」
後ろから誰か来てるな……そろそろ話を進めよう。
「まあ、そろそろこいつらにリーダーが誰かとか聞こう」
「そうなのね!誰がリーダーなのね!」
「私だ」
後ろから声がする。瞬間、タバサは咄嗟に振り返ったが、後ろの男……よりも俺が速かった。
俺の投げた棒手裏剣が相手の杖を持ってる手に当たる。男が杖を手放した。
一瞬で男に走って近づき無事な方の腕を背中の方にねじり押さえ込む。そして縄で縛った。
「な、なぜ気付いた」
「気配がしてな」
「そんなもので……」
男は四十過ぎほどの痩せ気味の貴族だった。いや貴族の名を捨てた、ただのメイジか。
タバサは男に聞く。
「誰?」
「はは、名前など、何年も前に捨てた。そうだなオルレアン公とでも呼んでもらおうか。あの間抜けな王弟と同じさ。兄に冷や飯を食わされてね、反発して家を出た……のにこんなあっさり捕まるとは……」
おいおい、その名前をここで使うか……タバサが目に見えて怒っているぞ。
その時また茂みの方から気配がする。
「誰だ!」
俺は気配のしたほうに向きながら言う。
ガサリと茂みから牛の頭が見えた。
それを見た男達はパニックに陥り縛られて逃げられないことに気付くと絶望して白め向いて気絶する。
俺達は警戒する。
「待ってくれ、君達に危害を加えるつもりは無い」
人の声でそう話してきた。
「……貴方は?」
「そうだな。この姿では、私が何者なのか気になるだろうな。まあいい。君
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