原作開始前
ルナさんとの邂逅
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考えられないじゃないか。
「変なことを考えなければいいんじゃない?」
だから止めいと言っとるのに。あと、考えないとか無理です。一応これでも年頃の男子なんで。
「だが断る」
モウヤダコノカミサマ。断られた、岸辺露伴の顔で断られた……。世の中の(というか神様の)不条理さと岸辺露伴のかっこよさにうちひしがれる。まあ、そんなことを続けていたら埒があかないので本題に入ろう。
「それで、ただ単に寿命を全うして死んだ俺を呼んだ理由は何ですか?」
「ええ、では本題に入りましょうか」
そう言った瞬間、今まで親しみやすい雰囲気だったルナさんから、突然荘厳さが溢れ出た。俺はそれから目を離せなかった。美しい。素直にそう思った。おそらくこれが神格の顕れなのだろう。
「賀狩彼方くん」
「はい、なんでしょう」
「私の代わりに、闇を祓う者として《闇》と戦ってはもらえませんか?」
「……とりあえず詳細を聞かせてください。それからじゃないと返答のしようがありません。そもそも《闇》とは何です?」
「まずはそこからですよね。例えばあなたたちでいうラノベの世界が本当に存在すると言われたら、信じますか?」
ありえない話ではないと思う。所謂パラレルワールド、平行世界というやつだ。確か無限−1ぐらいの数あったと記憶している。簡単に説明すると、可能性の世界。例えば、俺の寿命があそこまでじゃなかった世界。俺がここに呼ばれなかった世界。……俺があの力を持っていない世界。等々だ。
「平行世界とかですよね?」
「そう。私達は便宜上、『確率世界』と呼んでいるのだけれど」
『確率世界』か。らしい呼び方だな。
「その『確率世界』にイレギュラーが突然現れた」
「それが、《闇》……?」
「ええ。《闇》とは生き物であって、決して生き物ではないもの。無機物であって、決して無機物ではないもの。現象であって、決して現象ではないもの。故に、生き物であり無機物であり、現象であるモノ」
何だか、ナイアルラトホテップの説明を思い出した。ナイアルラトホテップまたはニャルラトホテプ。別名として、『燃える三眼』、『這い寄る混沌』、『月に吠えるもの』等々。人で遊び、弄び、人の心を可笑しく、犯し尽くす。そして、人の人生を脚本家として、時には自分自身が役者として、喜劇にし、笑い、嘲笑うかの邪神。かの邪神の特徴は無貌故に、逆説的に千の貌を持っているということだ。『這い寄れ!ニャル子さん』では、割とコミカルに描かれていたが、本来は『斬魔大聖デモンベイン』のナイアの様な全ての黒幕であることが殆どだ。
「ただ、私達も正確には《闇》についてはよく分かっていないわ。分かっていることは、世界を喰らって成長するということ」
「世
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