第24局
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
キラ…、なんか聞いたことある名前ね?」
「あ、やっぱり奈瀬は知ってるんだ。あいつ、有名みたいだもんな。さっすが塔矢名人の息子だな」
「あー、そうそう、塔矢名人の息子がアマチュアだけどとても強いってうわさだった…。え、あれ、ちょっと待って、ヒカル君塔矢名人の息子の家?」
「ああ、塔矢アキラの家な」
「…それって、塔矢名人の家なんじゃない?」
「そりゃそうさ。塔矢の親父さんなんだから、当然塔矢名人の家さ」
だんだんと奈瀬の顔色が白くなっていった。
「…あの、あれ?塔矢名人の家で碁を打つの?私が?」
「そ。場所代かからないし、お得だろ?今日は名人もいるし、見てもらえるかもよ」
「!!嘘っ!名人もいるの!!何でよヒカル君!聞いてないよ!?」
「うん、だから今言ってるじゃん」
−ヒカル、早く戻りましょうよ、あの者はきっと待ってますよ!
−分かってるって。何で奈瀬こんなに驚いてんだか。
−なんか、奈瀬さんが可哀想になってきたかも…。
ちなみにあかりは、アキラとヒカルが話をしているのを一緒に聞いていた。だから、最初から知っていたので覚悟は決めていた。てっきり奈瀬も聞いているものとばかり思っていたので、慌てる奈瀬を哀れみの眼で見ていた。
その後、半ば混乱したままの奈瀬とともに、塔矢家に戻ったヒカル達を待ち受けていたのは、不敵に微笑む緒方とアキラ。
あかりが碁会所の先生だと思っていたのが実は塔矢名人だったと知ったあかりが驚いたり、塔矢先生に加えて緒方先生までいると奈瀬がまた慌てて必死に挨拶したりとひと悶着があった後に、結局ヒカルは緒方とアキラと続けて対局することに。
その間あかりと奈瀬は、塔矢名人に指導碁を打ってもらうこととなった。名人の詳しい解説付きの指導碁という、とてつもなく贅沢な時間となった。
ちなみに、ヒカルは対局中に、背後でうらやましそうに見つめる佐為の視線が微妙に気になっていたりいなかったり。
それぞれの碁の検討を皆でする頃には、奈瀬もとりあえず落ち着いていた。
トッププロの塔矢名人や緒方先生と対等に言葉を交わすヒカルの様子にさすがと思いつつ、その日の勉強会は終了した。
その後、アキラの怒涛のアピールもあり、今後も塔矢名人宅で定期的に部屋を貸してもらえることになり、アキラと奈瀬を喜ばせた。
結局、この日もヒカルと対局していないと奈瀬が気がついたのは、その日家に帰り、入浴している時だった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ