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ペルなの
6.手合わせ(前)
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午後、毎度スターズとライトニングの合同訓練に使われる野外訓練場にはいつもなら訓練を行うフォワード陣ぐらいしか来ないが、今日は様子が違い見学者と言う名の野次馬がかなりの数集まっていた。

彼らの前に映し出されているモニターには互いに得物を構え向かい合う彼女とシグナムの姿がある。

シグナムは部隊長室の時とは違い騎士甲冑を纏い、彼女も月光館学園の制服ではなく管理局の一般隊員用のバリアジャケットを身に付けていた。

開始の合図が発せられてから二人はずっと、相手の隙を探る様に動かずにただひたすらに向かい合い睨み合っている。

野次馬達の緊張感だけが高まっていく中、始めに動いたのはシグナムだった。

夜天の書の守護騎士としての人間離れした脚力で数メートル離れていた彼女との間合いを一気に詰め、愛剣たるデバイス『レヴァンティン』を目に止まらぬ速さで振り下ろす。

一般人なら反応しきれない速度で繰り出された、当たれば確実に致命傷となるその一撃を彼女は円を描く様に薙刀を回転させ、いなした。

防がれはしたがシグナムも元よりそう簡単に決まるとは思ってはおらず、受け流された剣を素早く切り返し、そのまま連続で斬りかかる。

対して彼女も薙刀の回転を止める事無く巧みに操り、始めの一撃程では無いにしろ十分な力と速度を持った剣撃を後退しつつも確実に捌いていく。

苛烈を極めて攻め立てるシグナムと球体状に鉄壁の守りを築いて捌いていく彼女、端から見ればシグナムの攻撃と彼女の守りは互角。

互いに実力伯仲し、攻めあぐねて戦況が硬直している様にも見えた。

「あのシグナム副隊長の攻勢をあれだけ凌ぐなんて、あの娘本当に一般人なのかしら」

「うん。正直、あたしなら魔法を使ってもシグナム副隊長の連続攻撃を防げる気がしないよ……」

「でもこのまま十数メートルも下がり続けたらビルにぶつかって下がれなくなりますから、早い内に手を打たないと捌ききれなくなりそうですよ」

「魔法が使えたら牽制も出来るだろうけど、あの人は確か魔法が使えないんですよね?」

「なのはさんとヴィータ副隊長が保護した次元遭難者らしいから。だとしたらやっぱあの子が不利かな?」

「そう上手くはいかねぇだろうな」

スターズとライトニングの新人四人組がシグナム有利で話していると、後ろからその考えを否定する言葉が放たれる。

「ヴィータ副隊長!で、でも今もシグナム副隊長が優勢ですよね?」

「アレはシグナムが攻めきれてないんだ。流石にシグナム相手に力負けはしてるみたいだが、それを技術で完璧に補ってる上にシグナムの剣を完全に見切ってやがる。それでもシグナムが優勢に見えるのは相手が『見』に撤してるからだな。このままシグナムの動きやクセを十分に見終えられたら一気に形勢
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