第21話
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脱いで家の中に入る。靴を玄関に置いて、風呂を目指して歩く。
脱衣場のドアを開ける前にノックを3回する。
「誰か入っているか?」
中に声をかける。返事も無いので脱衣場のドアを開ける。中には誰も居なかった。
(よし。大丈夫だ。朝から覗き魔なんて不名誉な称号はいらないからな)
俺は脱衣場に入り、服を脱いでカゴに入れる。浴室のドアを開けて浴室に入る。風呂は温泉施設並の広さがあり、温泉特有の硫黄の匂いがする。壁に設置されているシャワーの蛇口を捻る。少し熱めのお湯が俺の体を綺麗にしてくれる。頭と体を洗った後、湯船に体を入れてのんびりと温泉を楽しむ。
(良い湯だな。某コントを思い出す。湯布院や別府には行った事は無いが、いつか行ってみたいな)
頭にタオルを乗せて、源泉を肩に浴びていると風呂場のドアが開く音がした。俺は眼を閉じているため、入ってきた人物は見ていないが、この家に居る人物が分かっているため特に動じない。
風呂場のドアを閉めて、体にお湯をかけてから温泉に入ってきた。
そのまま、俺の体に密着する。
「おはよう悠斗。今日も朝から訓練ご苦労様」
「おはようなごみ。相変わらず何故か俺が風呂に入っていると、風呂に入って来るな」
「そうかな?まあ、良いじゃないか。それとも悠斗は私と一緒にお風呂に入るのは嫌?」
なごみが俺の肩に頭を乗せてくる。まあ、美人と一緒に風呂に入れるのには文句はない。寧ろ贅沢だ。
「(はぁ。何故か同居するようになってから、なごみは積極的にアプローチしてくるな)まあ、別に問題は無い」
「ふふ。なら、良いですね。ふぅ。良い湯ですね」
「そうだな。まさか、川神市の別宅に温泉が出てるなんてな。知っていれば、もっと早く引っ越ししていたんだがな」
頭の上に乗せたタオルを左手で押さえて、身体を少しずらす。肩にかかっていた温泉が当たらない様にずれた。なごみがそれに合わせて少しずれてくれた。だが、俺の右腕はなごみの素晴らしい二ツ山に挟まれている。なごみは離してくれるつもりは無いようだ。
「ねえ、悠斗」
「ん?なんだ?」
「いつまで眼を瞑っているの?」
「なごみが風呂から上がるまでだ」
まあ、眼を瞑っていても心眼で風景が見えるから問題は無い。風呂から上がり脱衣場に行くのは朝飯前だ。なごみが右腕をそっと離してくれた。
「じゃあ、先に上がるね。悠斗が湯中りする方が困るから」
「おう。分かった」
なごみが湯船から出て、ドアを開けて脱衣場に向かっていった。俺は眼を開ける。
(はぁ〜。疲れた。違う意味で神経を使ったよ。温泉に浸かってて疲れるのも変だがな)
最近のなごみは積極的な性格になってしまった。 まあ、社会人になるのだから積極的に
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