第20話
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、此れ程強くなるか。末恐ろしい男だ)
俺は、自身に気を巡らせる事で気に呑まれる事は無いが、弁慶や与一はそうわいかない様だ。弁慶や与一は自身より圧倒的に強い者の殺気を受けて、完全に呑まれてしまっている。小刻みにだが二人とも震えているが、戦う構えを解いてはいなかった。
「行くぞ。防いでみせろ」
悠斗がそう言った次の瞬間、与一が宙を舞った。 弁慶が全く反応出来ていなかった。与一は顎を打ち抜かれ、そのまま俺に向かって円を描いて落下してくる。俺は与一を片手で受け止める。与一を見ると完全に気を失っていた。弁慶が冷や汗を額に浮かべながら、ゆっくりと左から死角を狙う様に動く。悠斗も反対に右に円を描く様に動く。
弁慶は間合いを詰めようとするが、悠斗は錫杖の間合いギリギリになるように動いているため、下手に間合いを詰められないでいる。
(悠斗はカウンター狙いだな。あえて相手が踏み込めるまであと少しと、言ったギリギリの間合いでいるな。弁慶はカウンターを恐れて迂闊に踏み込めないでいるか。あまり、時間をかけると悠斗が動いて来るぞ)
俺は与一を床に寝かせながら、二人の戦いを見守っている。悠斗はいつの間にか手拭いを手にしていた。
「ふん!」
「な!・・く!?」
悠斗が手にした手拭いが槍のごとく弁慶を突き刺す。弁慶は手にした錫杖でなんとかガードするが、悠斗は隙を作ることなく手拭いを操り畳み掛ける。
「く!・・・はあ!やあ!」
「甘い!その程度の反撃が通用するか!」
弁慶がなんとか錫杖で反撃するが、悠斗に届く事は無かった。逆に悠斗の手拭いに当たりダメージを負った様だ。
(まさか悠斗が布槍術を会得していたとわな。あれでは間合いなど関係ない。全てが悠斗の間合いになってしまったな)
弁慶も奮戦するが、遂に悠斗の手拭いが弁慶の鳩尾を突いた。弁慶はそのまま、床に倒れそうになるが悠斗が倒れる前に抱き締めて、床に倒れるのを防いだ。俺は与一を肩に担いで悠斗の傍に行く。
「どうだ悠斗?この3人の実力は?」
「まずまずですかね。義経は不意を突かれると、咄嗟の判断が遅れるのが難点ですかね。与一は弓の腕前は良いですが、訓練を疎かにしている様に見えました。あれでは才能が無駄になっている。また、自身の腕を過剰に見ている節が見受けられます。弁慶はまあ、あの程度の殺気に呑まれる程度ではダメですね。ですが、あの殺気に呑まれつつも反撃してきましたから、もう少し確り鍛えればかなりの実力者になるでしょう」
「中々辛辣な評価だな。まあ、コイツらには良い薬になっただろう」
「そうですか?まあ、確りと訓練に打ち込めば、今より更に化ける気がしますよ。この3人は」
悠斗が義経と弁慶を肩に担ぎ立ち上がった。
「じゃあ、医務室に連れ
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