14円舞曲ーtempo I (tempo primo)(最初の速さで)
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「いつまで寝ているんだ?」
その声で目が覚めた。僕はいつかあった光の中にいた。僕は確かクラディールを止めに行こうとして…
「気絶だろ?」
「また、君か…いや、『俺』」
「お、その感じは思い出した感じだな。久しぶりだな『僕』…ああ、心配しなくていい。クラディールは俺が殺っておいた。キリトは無事だ。」
もう1人の僕は笑いながら答えた。そして…
「じゃあ宿題を回収しようか。朝田詩乃は人を殺したでしょうか?」
「その答えは…」
僕は答える。今まで自分を殺してまで目を逸らしていたものを見つめるために…
「朝田詩乃は…いや!詩乃は殺してない??
人殺しをしたのは…
僕であり『俺』だ!」
どれくらいの時間がたっただろうか…不意に『俺』が口を開けた。
「正解。ようやく目を逸らしていたものを見るようになったな。」
『俺』は穏やかな声で言った。
でも、
「まだ言う事があるだろ?」
もちろん、と返事をし、さらに僕は答える。
「僕は今まで誤魔化してきた。自分が人殺しだって事を忘れるために。そのせいで、詩乃を傷つけた。僕はまず謝りたい。あの雨の日、詩乃を助けた日に僕の名前を言えなかった事を。謝ったら僕は詩乃に笑ってほしい。だから僕は歌うんだ??そしてこのゲームから抜け出したいんだ??」
そう言うともう1人の僕の姿が光の中から見えた。血まみれのスノードロップが立っていた。いつもの明るい赤いコートが赤黒くなり、黒のシャツやジーンズも血が付いている。
「もう俺の出番は無しにして欲しいな。…だけどどうしても助けて欲しい時にまた出てやるよ。」
「案外君も優しいんだね?」
僕は笑いながら答えた。『俺』も笑いながら答える。
「それは自分が1番知ってるだろ?」
「だね。んじゃそろそろ…」
『俺』は拳を突き出す。
「おはようございます♪僕の未来♪」
僕も拳を突き出し、合わせる。
すると眩い光が包んだ。
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「うーん…」
起きると僕は39層のホーム、アーブルにいた。
どうやらソファーで寝てたようだ。
「ったくベットでちゃんと寝させてくれよ、まったく…ん?」
見るとメモが置いてあった。
スノードロップを、雪宮佳、そして、詩乃をよろしくな!
「…わかってるさ。だけど君も一緒に、だぜ?」
わかってるさ、そんな事ーーー
何処で『俺』の声が聞こえたような気がした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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