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万華鏡
第六十七話 秋の味覚その十

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「楽しくね」
「百杯いくのね」
「あんた」
「目指すけれど」
 それでもだというのだ。
「いければよ」
「あくまで目標なのね」
「そう、私も今回はね」
 そこまで強く目指さないというのだ。
「そういうものだから」
「じゃあ今回は」
「楽しめばいいのよ、食べることを」
 勝負を考えずにというのだ。
「秋の味覚をね」
「即ちおそばね」
「やっぱりおそばは秋よ」
「秋に採れるからね」
「そう、だからよ」
 それでだというのだ。
「秋を満喫するわよ」
「食欲の秋ね」
「そう、皆楽しむわよ」
 部長は今度は部員達に対して言った。
「わんこそばね」
「ええ、今日もね」
「楽しむからね」
 二年生達が部長に応えた、こうしてだった。
 女子軽音楽部の面々もわんこそば大会に入った、そこは屋外でそれぞれのテーブルが用意されていた。十人は一度に座ることの出来るテーブルに椅子が置かれていてもう多くの人間がそこに座って食べている。
 そしてだ、そのお椀にだった。
 着物の女の人達が次から次にと蕎麦を入れていた、その声はというと。
「はい、どんどん」
「はい、頑張って」
「はい、もう一丁」
 まさにわんこそばの声だった、そして一人一人の席に椀が積んで置かれている。そこには既に彼等もいた。
「男組もいるわね」
「そうね」
 副部長が部長の言葉に応える、見れば彼等はもう食べはじめている。
「さて、百杯いくか」
「何人到達出来るかね」
「そっちも楽しみだけれど」
「私達もね」
 こう話してだ、そのうえでだった。
 女子部員達は女子用の席に着いた、そしてそこで。
 そのわんこそばを食べていく、食べればすぐにだった。
 蕎麦が入れられる、まさに食べればだ。
 次から次に入れられていく、この勢いに。
 彩夏は笑顔になってだ、こう言うのだった。
「これよ、これ」
「わんこそばっていうのね」
「そう言うのね」
「そうよ、こうして食べたら次から次に入れられるのがね」
 それがだとだ、プラネッツの面々に言うのだ。
「これがいいのよ」
「わんこそばね」
「こうしてどんどん入れられることが」
「いいのよ、いや関西でもわんこそばを食べられるなんて」
 どんどん食べつつ笑顔で言うのだった。
「嬉しいわ」
「そうなのね、秋田名物が」
「そう、こうして関西でも食べられるなんて」
 それがだrとだ、自分と同じくどんどん食べている琴乃に話す。
「嬉しいわ」
「そういえば秋田って」
「秋田って?」
「他にはきりたんぽも名物よね」
 御飯を棒の周りに固めて作るものだ、鍋等に入れる。今で言うとうまか棒そのままの形であり非常に美味しい。
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