第六十七話 秋の味覚その二
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「だから秋っていうとね」
「秋なあ、色々あるけれどな美味いもの」
「銀杏だけじゃなくてね」
あらためて言う美優と景子だった。
「茸とかな」
「アケビもね」
「栗もあるしな」
「一杯あるわよね」
「食欲の秋だからな」
何といってもこの言葉だった。
「色々あるよな」
「そうなのよね、本当に」
「お米も採れるし」
里香は主食を出した。
「新米ね」
「お蕎麦もよね」
琴乃はこれを出した。
「本当に色々あるわよね、秋は」
「そうそう、お蕎麦もなのよね」
里香は琴乃の蕎麦という言葉に応えた。
「あれも収穫の時は秋なのよね」
「だから秋のお蕎麦が一番美味しいのよね」
「そう言われているわ」
逆に夏の蕎麦は駄目だと言われている。夏蕎麦は犬も食わないと言われる程まずいとされているのだ。
「だから今のお蕎麦はね」
「食べるべきよね」
「是非ね」
こうまで言う里香だった。
「わんこそばなんかいいかもね」
「あっ、わんこそばだったら」
わんこそばは秋田だ、そして秋田といえば彩夏だった。
その彩夏がだ、わんこそばについてこう四人に言うのだった。
「うちの学校でもやるから」
「あっ、そうなの」
「わんこそば学校でもやるの」
「そうよ。大学の方でね」
わんこそばをするというのだ。
「するのよ。わんこそば大会ね」
「それ面白そうね」
「わんこそば大会ねえ」
「じゃあおそば食べ放題」
「それをするんだな」
「そうよ、ちなみに私参加するつもりだから」
彩夏は四人ににこにことして話した。
「楽しみにしてるわ」
「自信の程は?」
里香が彩夏にどれだけ食べられるのかを尋ねた。わんこそばの醍醐味はそばを好きなだけ食べられるということだからだ。
「そちらは」
「そうね、百杯かしら」
「大台ね」
「やっぱりわんこそばを食べるのならね」
それならとだ、彩夏は里香に応えながら他の三人にも話した。
「大台でしょ」
「百杯ってこそなの」
「そう、だからね」
「百杯望むのね」
「そう、ただね」
「ただって?」
「大台だけあってね」
百杯だ、それだけ食べるとなるとだというのだ。
「そうしう簡単じゃないわよ」
「男の子でもね」
百杯になるとだとだ、琴乃はその百杯の量を想像しつつ述べた。
「やっぱりスポーツしている子とか」
「大食いの奴とかだよな」
美優もここで言う。
「そこまでだよな」
「そう、百杯はやっぱり凄いわよ」
「あたしもちょっとな」
女の子としては背の高い美優もだった、腕を組み考える顔になりそのうえでこう言う。
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