魔法人形
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か悪魔になってから隠密スキルも上がった。気配を殺し様子を見る。
オリヴァンはいじめっ子たちにさも自分が魔法を使ったように見せかけタバサに魔法を使わせていじめっ子たちを追っ払い、意地の悪い笑い声を上げていた。
そして校舎の陰、死角になる場所に移動し、慎重に周りを確認してから
「もういいぞ」
タバサが姿を現す。俺は建物の上でしたの様子を見る。
「家宝の不可視のマントの威力はどうだい?昔、ご先祖が妖精に捕らわれたお姫様を救い出すために、神からいただいたという伝説のマントさ。便利だろ?」
どこぞの魔法学校の生徒がつかってた道具みたいだな……
タバサはオリヴァンにマントを返し
「もう私にようはないはず」
「まだまだだよ。僕を馬鹿にした連中を見返してやるんだ!」
「……」
「いいか?さっき、お前が唱えた魔法、ほんとは僕にだって唱えられるんだ!ただ、まだ実力に目覚めてない!そういうわけなんでな!それがやっとわかったんだ!いいか?見てろ!」
鞄から一冊の本を取り出すオリヴァン
「イーヴァルディの勇者だよ!僕もこんな風に、いつか自分の力に目覚める!今はまさに雌伏の時なのさ!」
「貴方みたいな子、一人知ってる」
「なんだと?」
「その子も、自分の実力がないことをすごく気にしてる。でも、貴方みたいに他人の力を自分のものと偽ったりしない」
「偽ったりしてない!いつか目覚める!先取りしてるだけだよ!なにせ僕はド・ロナル家の跡継ぎなんだ!」
「どうしてかわかる?プライドがあるからよ」
「僕にだってある!」
「自分に嘘ついて楽しい?」
「黙れ。父上に頼んで、お前の首を飛ばすぞ。花壇騎士だからって威張るなよ?所詮、ただの騎士風情だ。伯爵の父上が一言告げれば、お前の首なんか簡単に飛ぶんだからな」
オリヴァンはじっとタバサを見たがそのうち崩れ落ちた。
「悔しいんだよ。わかってくれよ……ったく太ってるからっていじめやがって」
「貴方がいじめられてるのは、太ってるからじゃない。オドオドして自信がなさそうに見えるから」
「知ってるよ!けど僕を助けてくれる人なんかいないんだ。いいだろ?一回くらい、良い思いしたって……」
「あなたを認めてくれる人だっていたはず」
「いないよ!いるわけないだろ!そんなの、じぶんが一番よくわかってるよ!」
そして俺たちは立ち去った。
翌日からオリヴァンは活躍を始めた。
授業で高度な魔法をタバサに使わせ、休み時間になると周りに多くの生徒たちが集まり、オリヴァンはもう鼻高々である。そして放課後、意気揚々と家に帰り散々飲んで食べて寝てしまった。
その後、アネットがタバサに謝ったその時、窓に
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