双零と自由VS.漆黒の狂戦士……模擬戦闘 前編です。
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は慌てて胸部を隠した。
彼女の打ち下ろしを左腕ISアーマーを破損させることによって止めながら、踏み込んで本命の一閃……燕返しを放ったまでは良かったがSEを全損させることはできなかったようである。
「押し負けた……(―――次食らったらSE全損ですね。)」
冷静に考える春奈はどう対処するかを暫く考えた。
「迷うくらいなら剣を下ろせ。今のお前には無理だよ……俺を倒す事はな。」
「……え?」
A一夏は春奈に悟すように話しかける。
「迷いは剣を鈍らせる……お前の剣には重みがない。転生者云々なんざ俺には関係ない。このまま戦うってんなら―――止めを刺してやるよ!」
瞬間加速で距離を詰めるA一夏。
春奈の知覚は加速した……走馬灯が過ぎるように世界がスローになっていく。
―――このままだと負ける……?―――
―――抵抗しないのかい?―――
―――私はまた負けるの?―――
―――諦めたらそこで終わりだろう?―――
―――でも、体が動かないし間に合わないよ―――
―――言い訳は見苦しいよ。君にならできるはず―――
―――どういう事?―――
―――君はまだこれからなんだろう?なら、こんなところでいじけている場合じゃない―――
―――……わかってる。でも―――
―――君の可能性を信じるんだ!さぁ、僕の手をとって―――
よぎる走馬灯春奈は誰かに手を引かれて意識を浮上させる。
「負けたくない……もう負けたくないっ!」
―――ピシッ……
春奈の何かにヒビが入る。
「そうだ、私が何であれ千冬姉のように受け入れてくれる人はいる……それだけで十分じゃん!」
―――ピシッ……ピキンッ―――
罅はさらに広がっていく……A一夏との距離はおよそ4m
「諦めて負けるくらいなら戦って負けてやる!だから私は―――」
―――ピキンッ……
「最後まで足掻いてみせる!」
―――パリーンッ!
とじていた瞼を春奈は開く。その瞳からはハイライトが消えていた。
春奈の中で砕けたのは可能性―――SEED―――今、春奈はギリギリの状況で反撃の狼煙を上げた!
つづく
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