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リメイク版FF3・短編集
キミがキライだから
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「悪くない」

「へ?」

「悪くはないさ。ただ、私は────」

「分かってるよ! おまえにはやっぱ、サラ姫だよ、な……。いいんだよ、それで………いいんだおれは、このままで ─────」


「 ルーネス 」

「………ん? って、何後ろ向いてしゃがんでんだよっ」

「背負ってやる。……ほら、おぶされ」

「ば、バカにしてんのか!? ガキ扱いもいい加減に……っ」

「なら、"姫様抱っこ"がいいか?」

「はあ?! 冗談云うなっ!」

「冗談のつもりはない。───夜になった事だ、人目を気にする必要もないだろう」

「だ、だからってなぁ……!」

「往生際の悪い奴だ」

「わっっと、おぉ?!」


 ルーネスはイングズに強制的に背負われる。 


「は、放せっ、下ろせバカ……!?」

「人の頭を叩くな、大人しくしてろ。───このまま宿に戻るのも何だ、もうひと巡りして戻るか」

「あ〜もぉ、何だってんだよっ。こうなりゃおれだって………! ぎゅっ」

「むッ、首が苦しいだろう。……少し腕の力を緩めろ、バカ者」

「へん、やーだね! そっちが勝手におぶったんだろ。……ならおれはこれでもかってくらい後ろからぎゅっっとしてやるっ!」

「 ───まぁいい、気が済むまでそうしてろ」

「むぎゅ〜〜っっ。………やっぱキライだおれ、イングズの事」

「 ………、そうか」

「ずっとこのまま、時が止まればいいのに」

「 ────── 」

「ずっと一緒にいられる方法、ないのかな」

「あるさ、きっと。………今はただこの瞬間を、何より大切にしよう。この先もずっと、私達が私達でいられるように」




END
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