キミがキライだから
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「悪くない」
「へ?」
「悪くはないさ。ただ、私は────」
「分かってるよ! おまえにはやっぱ、サラ姫だよ、な……。いいんだよ、それで………いいんだおれは、このままで ─────」
「 ルーネス 」
「………ん? って、何後ろ向いてしゃがんでんだよっ」
「背負ってやる。……ほら、おぶされ」
「ば、バカにしてんのか!? ガキ扱いもいい加減に……っ」
「なら、"姫様抱っこ"がいいか?」
「はあ?! 冗談云うなっ!」
「冗談のつもりはない。───夜になった事だ、人目を気にする必要もないだろう」
「だ、だからってなぁ……!」
「往生際の悪い奴だ」
「わっっと、おぉ?!」
ルーネスはイングズに強制的に背負われる。
「は、放せっ、下ろせバカ……!?」
「人の頭を叩くな、大人しくしてろ。───このまま宿に戻るのも何だ、もうひと巡りして戻るか」
「あ〜もぉ、何だってんだよっ。こうなりゃおれだって………! ぎゅっ」
「むッ、首が苦しいだろう。……少し腕の力を緩めろ、バカ者」
「へん、やーだね! そっちが勝手におぶったんだろ。……ならおれはこれでもかってくらい後ろからぎゅっっとしてやるっ!」
「 ───まぁいい、気が済むまでそうしてろ」
「むぎゅ〜〜っっ。………やっぱキライだおれ、イングズの事」
「 ………、そうか」
「ずっとこのまま、時が止まればいいのに」
「 ────── 」
「ずっと一緒にいられる方法、ないのかな」
「あるさ、きっと。………今はただこの瞬間を、何より大切にしよう。この先もずっと、私達が私達でいられるように」
END
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