バカは時にカゼを引く
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「 ────あ、みんな見て! あんな所に村があるわ。買い出しと情報収集も兼ねて、今日はあそこに泊まりましょ?」
飛空艇モードのエンタープライズからレフィアが見つけた小さな島に降り立ち、のどかで自然豊かな村、ダスターにやって来た一行。
「わあ……、何だか吟遊詩人や風水師の人達が多いみたいだね」
「 ……とにかく、一度宿屋に落ち着いてから行動するか」
アルクゥは人々に目をやり、イングズは建物を見やる。
「 ん〜! ここは空気もおいしいし、いい所ね〜♪ っていうかルーネス、あんた何さっきから黙り込んでるのよ?」
「 ……… 別に、何でもねーし」
「何よ、ぶあいそね〜! せっかくいいとこに来たのに…… 」
「 ────お前、顔色が良くないぞ。大丈夫なのか?」
「何でもないって云ってる、だろ……!」
イングズが覗き込むように見つめると、それをルーネスは片手を振って払い除けようとするが、その時ふと身体が前のめって倒れそうになる。
「 ……何でもなくないだろう、どこが具合悪いんだ? 白魔法で治せるなら──── 」
「平気だっての……! 放せよっ」
イングズに片腕で支えられ、そこから逃れようとするルーネスだが力が入らないらしい。
「どこが平気なのよ! ちょっとおデコ貸しなさい」
「わっ、勝手にデコ触んな……?!」
片手を当ててくるレフィアにバツが悪いルーネス。
「 ────やっぱり、熱あるじゃない! 白魔法って、風邪とかには何故か効果ないのよねぇ」
「前にどこかの村で風邪を引いていた人に白魔法を掛けても、治らなかったもんね。アイテムのエリクサーは今持ってないし………」
一応アイテムの中身を確認するアルクゥ。
「カゼなんて、おれが引くわけないだろ……! だとしてもこんなの、気合いで治してやる! うおおぉ〜………っおぉ、ガクっ」
「ばッ、馬鹿者、具合の悪い時に変に気合いを入れたら逆効果だろう。おい、ルーネス? ルーネス ……!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「バカは、風邪引かないんじゃなかったかしら?」
「やっぱり、水の洞窟での事が相当こたえてたんじゃないかな。アムルで目覚めてからは、普段通りに努めてたみたいだけど………」
気を失ったルーネスを宿部屋のベッドに寝かせ、見解を述べるレフィアとアルクゥ。────イングズは、さほど心配した様子ではない。
「ふむ……、とりあえず休ませておくか。何日かこの村に滞在する事になるかもしれない」
「そうねぇ………じゃあ、あたしとアルクゥは情報収集も兼ねて買い出しに行って来るわ。何か精が付く物でも見つけてきてあげましょっ」
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