バカは時にカゼを引く
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「うん、そうだね。────それじゃイングズ、ルーネスの事よろしくね」
「あぁ、任せてくれ」
「 ………それにしても土のクリスタルがゴールドルに壊されたっていうのに、特に世界に変化ないわね。時間掛かるだけなのかしら」
「もしかして、あれは偽物……? だといいんだけど」
あれこれと話しながら出掛けて行くレフィアとアルクゥ。
──── ベッドに寝かされているルーネスは、いつも結んでいる後ろ髪はほどかれ肩ほどまでの長さになっており、頬は紅く表情は少し辛そうで、イングズは額に絞ったタオルを置いたり上掛けをちゃんと掛け直してやったりして世話を焼く。
「なに、余計な事してんだよ………」
ふと、ルーネスが意識を戻す。
「何か、持って来て欲しい物はないか?」
「ない、よ。おれカゼなんて引いてねーし……、平気だって云ってんだろ……!」
「馬鹿、起きるな。────無理をすれば、長引くぞ」
身体を起こしかけたのを、優しく押し戻すイングズ。
「うぅ〜〜、だからカゼなんか……っ」
「甘くみるな、"風邪は万病の元"というだろう。……馬鹿が風邪を引くとは、世も末だが」
「あ、そうか、カゼ引いたんならおれもうバカじゃないってことだよな……!」
「 ────阿呆である事に変わりない」
「どっちにしろバカだって云いてぇのかよ……?! っけほ、けほっ」
「ほら、大きな声を出すな。大人しく寝ていろ」
「へん、や〜だね……! どーせバカなら大人しくしてられるかっ」
「なら勝手にしろ。………私が傍にいる必要もない」
つとベット脇の椅子から立ち上がり、部屋から出て行こうとするイングズ。
「へ……? ま、待ってくれよ……! 傍に……、いてよ」
「 ───── 、嫌だ 」
「な、なんだよそれぇ〜〜っ……」
置いてけぼりにされた子供のように、ルーネスは半べそになる。
「 ……悪かった、冗談だ。傍に居るから ──── だから、泣くな」
不意にベッドに上がって来たと思うと、そのまま間近に横になるイングズ。
「 これなら安心か?」
「う、うん。けど、ちかい」
横向き顔間近に微笑まれ、思わず目を合わせられなくなる。
「何だ、また熱でも上がったか。……紅いぞ、顔」
「そんなんじゃ、ない。ん〜〜……、───寝る」
気恥ずかしさから目を開けていられなくなり、ルーネスは目をつむる。
「あぁ……、そうするいい」
「ひゃっ、何して………?!」
戻って来たレフィアとアルクゥは、二人の状況に驚く。
────イング
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