そして、光が溢れ出す
ターン6 天上の氷炎と正義の誓い
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筒のように発動条件があるカードなのだろう。だとすれば、まさか三沢が勝負を焦って効果の使い忘れなんて初歩的なミスをするはずもないし、せっかくの予言とやらもトラップディストラクションの敵ではない。この勝負、どうにか三沢が勝ってくれそうだ。
だが、なぜか何かをウリアと相談する三沢。何やってんのさ、このまま効果を使って安全に攻撃するだけなのに。さすがに個人的な会話までは聞き取れないので何を喋っているかはわからないけど、なぜか少しだけ嫌な予感がした。
「待たせたな、万丈目。神炎皇ウリアで裁きの龍を攻撃、ハイパーブレイズ!」
そしてなぜか、最後まで効果を使わずに攻撃宣言をする三沢。ウリアの2つあるうち下の方の口が開き、そこから炎を吐きだす。
「ふ、馬鹿め。勝負を焦ったか、トラップ発動!やはり斎王様のお言葉は正しかったようだな、魔法の筒!相手の攻撃を無効にし、攻撃モンスターの攻撃力ぶんのダメージ、つまり4000のダメージを与える!」
神の炎を吸収し、そっくりそのまま跳ね返す茶筒程度の大きさの筒。自分めがけて襲い掛かるその炎に、三沢はふっと微笑んで静かに目を閉じて。
三沢 LP400→0
「三沢ー!?」
そのまま、なにもせずに吹き飛んで行った。
「う、うう………」
倒れた三沢に僕らが駆け寄る前に、万丈目がすっと手を差しのべる。その手を、三沢が掴んで起き上った。
「ありがとう、万丈目。おかげで俺も目が覚めたよ」
「ふ、ようやく理解してくれたか、三沢。さあ、これがお前のホワイト学生服だ」
「おお、美しい色だな」
そんなことを言いながら、今の今まで着ていた黄色の上着を脱いで6つのデッキケースがくっついたあの服をむき出しにした後、いそいそと白い学生服を羽織る三沢。嘘………でしょ?
「どうだろう、ちゃんと似合っているだろうか」
「ああ、安心しろ。それじゃあ、斎王様に報告に行くからついてきてくれ」
「わかった。あ、そこの君。すまないが、その黄色い服はもういらないんだ。適当に捨てておいてくれないか?」
僕に向かって最後にそう言い、万丈目について歩いていく三沢。何と言っていいのかわからないうちに、僕らをよそに2人はデュエル場の外に出て行った。
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