そして、光が溢れ出す
ターン6 天上の氷炎と正義の誓い
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…」
なんだろう。そういえばこの重々しい声、どこかで聞いたことがあるような気もする。
「ねえチャクチャルさん、これって止めたほうがいいのかな」
『…………いや、心配はいらないだろう。おそらくだが、あの申し出に敵意や裏はない。単純に腹に据えかねたのだろうよ、自分を倒した男があっさりと負けかかっているという事実が』
その言いっぷりからして、どうやらチャクチャルさんは声の正体に気づいているらしい。あとすこし、あとすこしで僕も思い出せそうなんだけど。
『さあ、決断しろ。力が欲しいか?』
まだ少し迷った様子の三沢だったが上の客席にいる僕をちらりと見て、目の前で苛立っている万丈目を見て、何か決心したように頷いた。
「………よし、わかった。俺の親友達を助けるため、俺の親友達を守るためだ。お前の力、貸してもらうぞ」
『それでいい。カードをドローし、我の力を存分に使うがよい』
「ああ。万丈目、いくぞ!俺のターン、ドローッ!!」
気合とともに引いたカード。その瞬間、空から天井を通り抜けて真っ赤に輝く炎がそのカードめがけて落ちてきた。あまりの迫力に怯んだ僕らをよそに、そのカードに炎がすべて吸い込まれていく。
「な、なんだ。一体何が起きているんだ!」
「さあな。実は俺にもよくわからん。だが万丈目、このデュエルは俺がもらうぞ。俺は自分フィールド上に存在する3枚のカード、炎虎梁山爆、DNA改造手術、デモンズ・チェーンを墓地に送り!手札からこのカードを特殊召喚する!」
永続トラップ3枚の墓地送り。思い出した、あの声はまさに去年の終わりに聞いたあのモンスターの。
「降臨せよ、神炎皇ウリア!」
去年あれだけ苦労して封印した3幻魔の1体にして、永続罠を軸として戦う他に類のない効果を持ったモンスター、神炎皇ウリア。まさか、あの赤い体をもう一度見ることになるとは。
「3幻魔だと!?」
「ウリアの攻撃力は、墓地に存在する永続罠1枚につき1000ポイント。俺の墓地にはすでに今送った3枚に加えモンスターBOXのカードが存在する、よってその攻撃力は裁きの龍を上回る4000だ!」
神炎皇ウリア 攻0→4000
だが、万丈目のふてぶてしい顔は変わらない。あの伏せカードにはよっぽどの自信があったりするのだろう。でも、今の万丈目は忘れてるのかもしれないけれど。神炎皇ウリアは伊達に3幻魔やってない、そんな伏せカード1枚に揺らいだりはしないのだ。
神炎皇ウリア第2の効果は、トラップディストラクション………相手フィールドの伏せカード1枚を、チェーンすることを許さず1ターンに1度ノーコストで破壊する恐ろしい能力。三沢も言ってたけどおそらくあのカードはバーンカード、それも今まで使ってこなかったことを見ると魔法の
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