そして、光が溢れ出す
ターン6 天上の氷炎と正義の誓い
[13/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
チェーン!この闇の鎖に縛られたモンスターは、攻撃も効果の発動もできずに沈黙するのみだ」
白い龍が全身を光らせて文字通り裁きの一撃を放とうとした瞬間、地面から無数の闇の鎖が生えてきてその羽を、口を、足を拘束する。光のエネルギーを吸い取られた裁きの龍がなんとか振りほどこうとするも、その鎖はびくともしない。
「だろうな。まあそう来るとは思っていた。だが、1つ教えてやろう。俺の手札にはまだ2体目のライラがいる、次のターンにはこいつを召喚してそんな鎖など破壊してやる。ターンエンドだ」
三沢 LP400 手札:0
モンスター:なし
魔法・罠:炎虎梁山爆
DNA改造手術(炎)
デモンズ・チェーン(裁き)
万丈目(白) LP2800 手札:3
モンスター:裁きの龍(攻・デモチェ)
魔法・罠:1(伏せ)
ふう、とひそかに息を吐く三沢。前言撤回。さっき見た時はまだ諦めてないように見えたし実際諦めてはいないものの、これ、かなり追いつめられてる。勝利のビジョンが思い浮かんでない状態だ。ポーカーフェイスは割と得意な三沢だけど、注意して見てると完全に追い込まれてる時とカードがうまく引ければ十分逆転もあり得るときの差は案外わかりやすかったりする。たかだか20年も生きてない人間の表情などお見通しだってチャクチャルさんが言ってた。
「三沢………」
せめて何か声をかけようとした瞬間、頭の中に声が響いた。
『…………力が、欲しいか?この勝負、勝ちたいか?』
「あれチャクチャルさん何やってんの?」
『いや、今のは私じゃないぞ』
あんまりにもチャクチャルさん初登場シーンとかぶったセリフだったためなにかこの神様がよからぬことでも考えてるのかと思ったけど、どうやらそういうわけではないらしい。
『だいたい力が欲しいか、から入るのは我々のような役どころのお約束だろう。様式美というものだ』
え、あれってそんなしょうもない理由だったの?といいたいのをぐっと我慢する。まあ確かに、あれくらい強引な勧誘の方が手っ取り早いこともよくあるよね。じゃあそれにしても、この声はいったい誰が………?
『どうなんだ?力が欲しいというのなら、我はその声に応えよう』
どうやらこの声は僕とチャクチャルさん、それと三沢にしか聞こえてないらしい。不思議そうにあたりを見回す三沢を、何をやってるんだといわんばかりの目で万丈目が見ている。とすると、この声は三沢あてに喋っているんだろう。
『代価などはいらぬ。ただ、我を一声呼べばよい。選ぶも選ばぬもお前の自由』
「お、お前は……お前は一体」
『くだらぬ話だ。心の内ではもう気が付いているのだろう?自分の思いに、守りたいものに素直になればよいだけだ』
「俺の……
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ