そして、光が溢れ出す
ターン6 天上の氷炎と正義の誓い
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、何?もしかして負けちゃったの?」
つらそうに顔を伏せ、コクリ、と頷く翔。その時のことを思い出したのか、なんだかこれ以上喋らせたら泣きそうな雰囲気になってきた。その様子を見て気を使ったのか、ため息を1つついて葵ちゃんがそのあとを喋る。
「それで、その十代先輩ですが。負けた後しばらくの間ショックで自分のカードのテキストやイラストを確認することができない、いくら見ても白い紙にしか見えない状態になっちゃったんです。そして、ちょうど昨日のことでしたね。先輩の隣のベッドで寝かしつけてたはずなんですけど、丸藤先輩と剣山さんが元気づけに行ったらもう行方不明になってたんですよ」
「はあ!?」
なにそのトンデモ展開。でもまあ、あの十代のことだ。あのデュエル馬鹿がカードを見ることができないなんてなったとしたら、ショックの余り山にでも引きこもったってあんまり違和感ない気がする。
「そ、それで?当然探してるんだよね?」
「ううん、実は清明、話はそれだけじゃないの、だってさ。エドが来たその日の夕方ぐらいから生徒の間で急に光の結社っていうのが流行りだしたの、って。」
「光の結社………」
どこかで聞いた気がする、と思ったけどあれだ。ついさっき、じゃなかった僕が倒れた日の昼、クロノス先生が見せてくれたノース校からの連絡で市之瀬校長が愚痴ってたやつだ。あの時は変なこともあるもんだ程度に聞き流してたけど、まさかこっちにまでその熱が移るとは。気づかないうちに、事態はどんどん僕の知らない方向に向けて動いて行っている気がする。
「それで、その先導をやってるのがあの万丈目君なんスよ!なんか真っ白い服をどっかから持ってきて、万丈目ホワイトサンダーって名乗って校内で目に付いた人に片っ端からデュエルを申し込んでは完勝、するとなぜかその負けちゃった人も真っ白い服に着替えて光の結社バンザーイって言いだすようになって………今日この部屋に来るのだって見つからないようにしながらだからすごく苦労したんスよ」
「ちょ、ちょっと待って!え、万丈目ってあの?いくらなんでもそれはないでしょ」
あのいつもゴキブリみたいに黒い上下ばっかり着ておジャマ軍団共々やたら高い生命力としぶとさを全身で表現してるようにしか見えないあの万丈目が、全身真っ白?似合うとか似合わない以前にそもそもイメージできん。
でも、僕だって口ではああ言ったけど、伊達にこの1年を1つ屋根の下で暮らしてきたわけじゃない。翔がこんな嘘をつけるタイプじゃないことはよくわかってるんだ。だから、この話に嘘はない。わからないのは、何がどうなってそんなイメチェンをするまでに至ったかだ。
「で、なんで万丈目がそんなことになっちゃったの?なんかこうほら、原因とか理由とか、思い当たることは?」
「………それは……言
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