第六十六話 ゲリラライブその五
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だから彼等もそれに合わせることにした、それで言葉を代えてこう言った。
「いや、いきなりはじまるな」
「そうよね」
「一体何をやるんだ」
「何が起こるのかしら」
「まあそういうことでね」
とりあえず納得することにした琴乃だった、そうしてだった。
四人に顔を向ける、その目で言い四人も目で応える、それからだった。
五人は演奏をはじめた、五人が得意とするポップス系の音楽だ。その音楽を奏でると皆さらに熱狂した。
「いいぞいいぞ!」
「もっと歌って!」
「その勢い!」
「いい感じよ!」
「皆も乗ってね!」
琴乃はその彼等に告げた。
「それじゃあね!」
「うん、じゃあ!」
「今から!」
観客も応える、そうして。
プラネッツの面々は観客と共に楽しい時間を過ごした、曲を次から次に演奏し歌う。そうして予定の時間になったところで。
そのうえでだ、五人は立ち上がり深々と頭を下げて言った。
「皆今日は有り難う!」
「最後まで聴いてくれて有り難う!」
「またやってくれよ!」
「演奏してくれよ!」
観客も五人に応える、ライブは大成功だった。
そのうえでだ、楽器をなおしにかかる。だがここで。
美優は自分達の傍にあるものを見付けた、それはというと。
「あれっ、これってな」
「車よね」
「持ち運び用の」
「ああ、そうだよな」
丁度ドラムを乗せられる大きさだ、それの存在に気付いたのだ。スーパー等の商品を入れて運ぶカゴ車である。金属の銀色だ。
「これならな」
「上に乗せてね」
「運べるよね」
「これ使ってなんだな」
美優は考える顔で述べていく。
「ドラムここまで持って来たんだな」
「そうみたいね」
「だから持って来られたのね」
「この車なら」
里香もその車を見て言う。
「キーボードも入るわね」
「だよな、これだと」
「そういうことなのね」
「便利なものあるんだな」
「これ使えばね」
「ああ、ドラムとかキーボードもな」
そうした重くかさばる楽器もだ。
「運べるからな」
「そういうことね」
「けれどね」
今度は琴乃が言う。
「これ私達が運んでいいのかしら」
「えっ、あたし達の楽器だけれど」
「運んだら駄目なの?」
「いや、持ち運んで来てくれたのは先生達でしょ」
「だから迂闊に手を触れたらか」
「なくなったとか問題になるっていうのね」
「ええ、だからね」
迂闊に触れられないというのだ、これが琴乃の言うことだった。
そしてまさにその時にだ、五人の携帯が鳴ってだった。
携帯を見る、すると部長からメールで連絡があった。その連絡にはこう書かれていた。
「ああ、成程ね」
「ここで待っていて先生が来てくれて」
「車に楽器を運んでくれるのを見てから
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