【第一話】北側の国
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「お兄様、何故このようなことをしたのですか!」
「違う!俺じゃない!俺がそんなことするわけないだろう!」
広く静かな部屋に抗議する荒々しい声だけが響いている。
カーテンの隙間からこぼれだした朝日の光が二人の顔をはっきりとうつしだした。
うつしだされた顔はどちらも涙を流していた。
唯違うのは悲しさに混じり疑いの感情をもつ顔、悲しさに混じり焦りがある顔。
「では何故・・・お兄様の部屋にお父様の血がついたナイフが?それに、ナイフについた指紋もお兄様のでした。」
「・・・それは・・・」
黙ってしまったリアスにリューサはやっぱり、と軽蔑した目をむけた。
そしてリューサの口から告げられたのは・・・
「お兄様・・・リアスをこの国から追放します。」
周りにいた誰もが驚きのあまり、目を見開きざわついた。
俺はただ、目を見開きリューサを見ていた。
もう反論したって無駄だろう、だから見ていることしかできなかった。
俺は家臣に腕をつかまれ、城を出た。
城から連れ出され、いや、追い出されたといったほうが正しいだろう。
着いた先は城からそう遠くはない港だった。
あぁ、本当に国を追放されるのか。
俺は覚悟を決めて船に乗った。
行き先もわからない船の上の客は俺しかいない。
俺は近くにあった椅子に座り青い空を眺め、眠った。
目が覚めるとそこは見覚えのある所だった。
東側の国か・・・懐かしいな、父さんと何回か着たことがある。
さて、これからどうしようか・・・
とりあえず歩きだしたリアスはふと目に入った裏路地につながる細い道を歩いていってみることにした。
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