第22局
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−…まったくお気楽な…。いったい誰のせいで苦労していると…。…あ、でも待てよ…。今塔矢先生に会えると…。
ヒカルは、もしかしたら以前から気になっていたあのことが、何とかできるかもしれないと思いついていた。
「…塔矢。もしも可能なら、頼みたいことがあるんだ」
約束の日の早朝、ヒカルは塔矢家の玄関前にたたずんでいた。
−ここに、かの者がいるのですね!
佐為は塔矢の家を目にして、ソワソワソワソワとしていた。
−この家に来るのも久しぶりだなぁ。
−ほら、早く行きましょうよ、ヒカル!
−分かってるって。でも、まずは大事な話があるんだから、おとなしくしてろよ!お前が騒ぐと気が散ってしょうがないんだからな!
−もちろん、分かってますって!
−…ほんとだろうな、おい。
そうしてヒカルは、塔矢家のインターホンを鳴らした。
「進藤おはよう。お父さんが待っているよ」
「ああ、悪いな、塔矢。こんな朝早くから」
「いや、うちはいつも朝早いから大丈夫さ。お父さんも君との対面を楽しみにしてるみたいだし。ただ…、進藤ごめん!どうしても進藤に一緒に会いたいって人がいて、断れなかったんだ…」
「えっ!?」
「進藤のことを話したときにちょうどそばにいてね。自分も一緒に立ち会いたいと。進藤は知っているかな?お父さんの弟子の、緒方さんって言うプロの方なんだけど」
−あー、緒方さんかぁ…。あの人、前も絡んできたんだよなあ…。相変わらずというか、なんというか…。でもまあ、塔矢先生にかかわる以上は、仕方ないかぁ…。緒方さんだけ避けるわけにもいかないか…。
「まぁ、かまわないよ。塔矢も、兄弟子相手に断ったりできるわけないもんな。じゃ、先生に紹介してくれよ」
「…すまないな。こっちだ」
「お父さん、緒方さん、進藤が来たよ。進藤、うちのお父さんと、緒方プロだ」
客間に案内されたヒカルは、そこで塔矢行洋たちに紹介された。
「どうもはじめまして。進藤ヒカルです。あ、塔矢先生、十段獲得おめでとうございます!」
「はじめまして。そして、ありがとう。君が進藤君か。話に聞いてからずっと会いたかったよ。それに、アキラが世話になったようだね」
挨拶とともに、ヒカルは行洋と握手を交わした。
塔矢行洋は、以前と変わりない、厳しく、威厳のある人物だった。
「こちらは緒方精次君。アキラの兄弟子だ。彼も君にぜひ会いたいとのことでね」
「はじめまして、緒方だ。まぁ、塔矢名人ほどの知名度はないから、中学生じゃあ知られていないと思うがね」
続けて紹介された緒方とも握手を交わしながら、ヒカルは答えた。
緒方も、相変わらずの、パリッとしたスーツ姿だっ
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