暁 〜小説投稿サイト〜
亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百十六話 遺書と墓碑銘
[2/6]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
。俺は無駄な事はしないのだ。
「内乱を鎮圧すればフェザーンの方から謝ってきますよ。多分金で片付けようとするでしょうね」
皆が頷いた。表情には蔑みの色が有る。フェザーン人って嫌われているよな。まあ俺も好きとは言えない。
「いずれ帝国との間に和平が結ばれればイゼルローン回廊も解放されるでしょう。そうなれば同盟、帝国の商船が直接両国を行き来する事になる。フェザーンの戦略的価値は半減しますし中継貿易の利益も失う事になります」
「フェザーンにとっては生存環境が厳しくなりますな。なるほど、それがフェザーンに対する報復ですか」
そうじゃない、フェザーンがイニシアチブを執って宇宙を支配しようなんて考える事は無くなると言いたかったんだ。同盟と帝国が手を結んでいる限りフェザーンは大人しくなる。宇宙は安定する筈だ。そして同盟も帝国も国内の再建と安定を必要としている。未開発地も沢山あるのだ。公共事業による景気高揚が続くだろう。
高度成長時代を実現出来ればフェザーンもそれの恩恵を受けることが出来る。そうなればフェザーンは両国を争わせるのではなく協調させる事で繁栄出来る事を理解するだろう。フェザーンだけが繁栄するのではなく共に繁栄する。共存共栄が出来ればフェザーンも守銭奴とか金の亡者とは言われなくなるはずだ。まあそこまで行くには時間がかかるが。
トリューニヒトは如何してるかな。頼むから上手く脱出してくれよ。ここまで御膳立てしたのだから後はお前さん次第だ。いずれトリューニヒトは救国の英雄、民主共和制の擁護者、自由の守護者なんて呼ばれる事になるだろう。笑えるな、原作を知ってる俺には悪い冗談としか思えん。ヤンは白目を剥くだろう、毛布を頭から被って寝込むかもしれない。ま、それも悪くない。
宇宙歴 796年 2月 4日 リオ・ヴェルデ星域 第一艦隊旗艦 アエネアース スーン・スールズカリッター
「ワイドボーン提督、御苦労だな」
「はっ。元帥閣下をアエネアースに御迎え出来た事を心から嬉しく思います」
ワイドボーン提督がガチガチに緊張している。提督だけじゃない、艦橋にいる人間は皆ガチガチだ。無理もない、首都ハイネセンを脱出してきたシトレ元帥を迎えたのだが同行者が凄い事になっている。
グリーンヒル大将、それに見覚えのない軍人が数人、いずれも将官だ。それとトリューニヒト最高評議会議長を含む最高評議会のメンバー。自由惑星同盟の政府軍部のトップがアエネアースに集結している。まるで政府がここに移動したようなものだ。それに帝国のレムシャイド伯爵も居る。
「ワイドボーン提督、少しの間厄介になるよ」
「はっ、何分軍艦ですので十分な御持て成しは出来かねます。御不自由をおかけしますが御容赦を願います」
「いや、ここなら安全だ。そ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ