コードギアスR2
0608話
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たのは、洛陽から最も近い位置にある軍事基地の一画だった。
対象との待ち合わせ場所である、基地の外れに存在している訓練場の入り口。そこに人影があるのを確認してから歩いて近付いていく。
ビクリ。
俺が歩いている音に気が付いたのだろう。一瞬身体を硬直させたかと思うと、どこか疑うような視線を俺へと向けてくる男が1人。
「アクセルだ。繁だな?」
「……ふぅ。ああ、繁だ。待っていたよ」
俺が約束の人物だと知り、ようやく安心したのだろう。深く溜息を吐いてから改めて俺へと視線を向けてくる。
その視線を受けながら、俺もまた繁がどのような男なのかを観察する。
年齢で言えば俺よりも多少上。20代半ばから後半といったところか。身体付きは軍人らしく鍛えられており、身長は俺よりも若干小さいくらい。だがその目つきは鋭く、俺をしっかりと見据えている。
俺が観察するように、向こうもまた俺を観察しているのだろう。
「で、どうだ? 見極めは済んだか?」
「お互いにな」
からかうように尋ねると返ってくる言葉。意外に頭の回転も早いらしい。
「それはとにかくだ。時間が無いからさっさと行動に移りたいんだが?」
「ああ。俺としても早くこの基地から脱出したい。あんた達に協力した以上は、それが周囲に……特に大宦官派の奴等に知られると、嬉しくない出来事になるのは間違いないからな。こっちだ、付いてきてくれ」
男の言葉に従い、後を付いていく。
夜の闇に微かな月明かり。静寂に包まれる中を俺と繁は歩き続けてやがて巨大な格納庫と思しき場所へと到着する。
「繁少将!? こんな時間にどうしましたか?」
敬礼をしながら尋ねてくる歩哨に、小さく頷いて口を開く。
「軍機故に詳しくは教えられんが、内部にちょっと用事があってな」
呟き、懐から取り出した何らかの書類を掲示する繁。
恐らく今回のために前もって準備しておいたのだろう。
歩哨が、明らかに西洋人の容姿をしている俺に向けて疑うような視線を向けてくるが、すぐにその書類へと目を通すと納得したように頷く。
「分かりました。基地司令が直接発行した許可証がある以上は問題ありません」
敬礼をする警備兵を一瞥し、繁と俺は格納庫の中へと入っていく。
「……基地指令が直接発行した許可証とか、どうやって手に入れたんだ?」
格納庫の中に入り進んで行く中で、周囲に誰も話を聞いている者がいないのを確認して繁へと尋ねる。
だが、繁から返ってきた言葉は酷く単純だった。
「偽造」
その一言だけで繁が許可証を手に入れた方法を知る事が出来た俺は、思わず苦笑する。
「無茶をするな」
「何、どのみち今日で俺はこの基地から消えるんだ。今更1つや2つ追われる
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