合宿編
十五話
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ンハルトは内心で同意しつつも取り留めなかった。アインハルトのとってもコロナの創成魔法は視野の外であったので、自身も同じ過ちをしただろう。
だが、このまま窺っているだけでは勝機を逃してしまう。それに、向こうが決めかねているならまだ圧せるだろう。
アインハルトはそう進言しようとするが、一歩遅かった。
「……魔法戦ですかい」
ヴィヴィオの周囲に幾つか浮く弾、リオが生んだ炎と雷の龍。それ等を捌き、掻い潜っても、巨神の拳が待っている。
どうやら向こうは個々の戦いを捨て、チームワークで中距離戦に挑むようだ。
ならば、此方も協力して当たるべきだろう。
「……アレクさん、あの龍を此処から対処出来ますか?」
「構わねえが、お前はあの弾をどうにか出来んのか?」
「覇王流に生半可な射砲撃は通用しません。一手返して見せます」
「うし、なら弾は任せた」
「はい。そちらもお願いします」
左身を前に構えたアレクと対称に、アインハルトは腕を大きく一回転させ右身を前にして肩を並べると、再び何とも言えない気持ちが沸き起こった。
アレクとはお互い手の内が分かりきっていないのに、不信感が全く無い。一度大敗をした所為か、それとも単に信頼しているのだろうか。理由はよく分からないが、不思議と心地よい高揚感で、負ける気がしない。お互い未熟だと解かっていても、その気持ちは変わらない。
そして、アレクも同様の心境だった。
拳を全力でぶつける相手は在れど、アレクも誰かと共に挑んだ事は無い。故に、戦いは一人で行うものと無意識に悟っていた。
その筈なのに、今はアインハルトと肩を並べている。それだけの事で、昨日も生じたこそばゆい感覚が走る。
何故だろう、と考えてみると昨日とは違い答えらしい事が一つ浮かんだ。おそらくこの体勢の所為だろう、と。
だが、何故寄り添う形に成る必要があるのだろうか?
「なあ、こんなくっ付くの必要あんの?」
「的を絞らせる為です」
「ああ、なるほどね。合点いったわ」
「そ……それより、集中してください」
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