高校2年
第三十一話 これが三龍野球
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ラー3人。君らの力はまずまずだ。城ヶ島相手に十分勝負をかけられる!行け!)
飾磨、宮園、鷹合。このチャンスで打席に入る5.6.7番打者に、浅海は熱い期待の視線を送った。
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「うぉーっ!」
「ヤバくね!?二者連続バスターエンドランとかヤバくね!?」
「ここは行くしかないったい!一気に押し込むばい!」
予想外の攻めでできた無死満塁のチャンスに、三龍応援席は大いに盛り上がる。三龍があの、水面海洋を翻弄している。夏の大会での、相手の寝首をかいたような展開ではない。明らかに駆け引きで勝っている。
「「「いけっいけっいけっいけっ
いけーーーーっ!!」」」ドンドンドン
「さぁいきましょう」の応援が勢いを増す。
引退した3年生も現役の下級生も、グランド上で躍動する同僚達の姿にすっかり魅了され、興奮し、声援を送る。
<5番サード飾磨君>
打席には、旧チームからの5番打者・飾磨が入る。チームで1番の強打者で、太い体型のイメージそのままに打球には迫力がある。
「ボール!」
「ボーール!」
その飾磨に対して、“精密機械”のはずの城ヶ島がボール球を2球続けた。浅海の采配を警戒してのものだろう、満塁でスクイズはあまり無いのに、海洋バッテリーは明らかにスクイズを警戒していた。その結果、飾磨にとっては有利なカウントが出来上がる。
(浅海先生からはノーサイン、何も指示は出てないっちゃけど……)
そして3球目。バッテリーはカウントをとりにくる。飾磨はそのボールを打ち砕く。
(何だかめっちゃ打ちやすい気がする!)
カーン!
センター向けて鋭く低い打球が飛ぶ。
城ヶ島は反応良く、その打球にグラブを出した。
バシッ!
そのグラブを弾いて、打球はその背後にコロコロと転がる。ランナーは全員、先の塁目掛けて突進。飾磨はドタバタと一塁に全力疾走。
「1つ!1つ!」
城ヶ島が振り向いて打球を拾った頃には、既に三塁ランナーの枡田はホームインしていた。他の塁に投げる事も出来ず、アウトにできるのは唯一、足の遅い打者走者だけ。
2-1。飾磨の投手ゴロの間に遂に三龍が勝ち越した。
「よっしゃー!」
「まずは一点やー!」
「飾磨ナイスバッチー!」
ホームインした枡田は三龍ベンチに帰ると、テンションの上がった同僚にもみくちゃにされる。応援席では抱き合う部員の姿も見える。
「おい!まだ一点やぞ!切り替えー!一点はしゃーないけん!」
海洋ベンチからは高地監督がたまらず大声を出す。動揺が見える海洋ナインを落ち着けようと、声をかける。
<6番キャッチャー宮園君>
(さぁ、一気にいくぞ)
続く一死二、三塁
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