空白期 第2話 「王の来訪」
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るからシュテルが予定よりも早く来たのかと思ったが……違ったようだね」
「お、お久しぶりですレーネ殿」
「ん……声から判断するにディアーチェかな?」
「はい。……あの、もう少し寝たほうがいいのではありませんか? 先ほどもどこかぶつけていたようですし」
「あぁ……喉を潤したらまた寝るつもりだよ。それと……君は良い子だね。ショウは心配してくれたりしないのに」
毎回のようにぶつかり、これといって痛がっていない姿を見ていたら慣れるのも無理はないだろう。この件に関してはレーネさんの自業自得だ。
「……というのは表面上だけで、怪我をしていたら手当てしてくれるのだがね」
そう言ってレーネさんは俺の頭を撫でる。人前で撫でられるのはさすがに恥ずかしかったのでやめさせた。もう少しいいじゃないか、といった視線を向けられたが断固として承諾しないでいるとディアーチェが話し始める。
「普通立場が逆の気がしますが、それは当然でしょうな。ショウにとってあなたは大切な人でしょうし」
今の言葉からしてディアーチェは俺の両親のことを知っているのだろうか。まあ叔母の知り合いであった以上、知っていても不思議ではない。それに別に隠す理由もない。
何もないのに自分から言いたいとは思わないが。
「そう思ってくれていると嬉しいのだが、あいにく家を空けてばかりでね」
「仕事だから仕方がないことだよ」
「……君は本心からそう言ってそうだから保護者としては嬉しい反面悲しくもある。それに可愛げがない」
「家事全般してたらしっかりもするさ」
「……少し仕事量を減らそうかな」
「健康面を考えればそうしてほしいと思うけど、別に家事は手伝わなくていいから」
レーネさんがやるとかえって散らかったりするし、料理中に怪我をする可能性が高いのであまりさせたくない。
冷静に考えてみると、ディアーチェが言うように立場が逆だな。もしくはレーネさんが夫で俺が妻といった感じだろうか。だからはやてにお嫁にほしいと言われるのか?
「全く……可愛いのは顔だけだね」
「どう見たらそう見えるのか疑問だよ」
「そうかな? ディアーチェ、君はどう思う?」
「わ、我ですか」
振られた話が話だけに困惑するのも無理はない。個人的に答えなくてもいい、いや答えてほしくないと思うのだが、ディアーチェにとって叔母は頭が上がらない人なのか必死に答えようとしている。
「……年相応の少年の顔だと思います。多少身体の線が細い気はしますが、成長期を迎えれば変化するでしょうし、顔もその頃には男らしく変わり始めるのではないかと」
「つまり可愛くはないと?」
「はい……そもそも、我はレーネ殿ほどショウのことを知りませんので見た目でしか判断できません。ですので現状で彼が可愛く見えるの
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