ミュータントの説明はもっと先になるので
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おそらく薬を打たれたまま、家畜以下の扱いを受けるのだろう。そんな人生のまま一生を終える。
額は一億。到底払える額ではない。おそらくオークションの主催者、大蔵臥薪が見世物として披露し、あわよくば大金を巻き上げようという算段なのだろう。
哀れな目をしている。絶望を越え、悲しみを越え、そのなれの果てが、この目か。
冥星は強者だ。己がこれからどんな道を歩んだとしてもその先には勝利があると決まっている。だから、地面に転がっている石ころの気持ちなどわかるはずがない。
強者が、弱者を助けることなど絶対にない。正義の味方はいない。世界は過酷。
そして少女エリザ・サーベラスは奴隷となる。
この世で最も恐るべき力を持ち、世界を破滅に導くことができるが……メンドクサイのでしない男の元へと。
これは、愛の物語。
一人の男が奴隷をいじめながら無理難題を押し付け罵る――ほんのちょっとだけ優しいところもあるがやっぱり鬼畜なくそ野郎と。
助けられ、尽くして尽くして尽くして泣きながら尽くしてもその愛を踏みにじられ、貶され叩きのめされる哀れな美少女エリザ――でも冥星を誰よりも理解し、愛している少女の、
「愛の物語です」
「いや、これは俺がお前をゴミのように扱い食べ物を解説する話だから」
「私と冥星様の愛の物語です!」
「うるさいバカ奴隷! さっさと飯の仕度をしろ!」
「……ううう、冥星さま、ひどいです……」
「だいたいお前の出番はまだずっと先だ。無能なんだからせめて立場ぐらい弁えろ屑、屑奴隷、金髪ビッチ」
「び、ビッチじゃありません! み、みなさんビッチじゃありませんから、い、いつか冥星さまが、もらってくれるまで私、エリザ・サーベラスはアイアンメイデンを貫きます!」
「うるせぇ!」
「ああ、髪を、髪をひっぱらないでください」
――――きっと、愛の物語なのです!(エリザ談)
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