第六十五話 ハロウィンに向けてその十一
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すぐにだ、考える顔をもしやというものにさせてこう言ったのだった。
「部活のせいね」
「うちの軽音楽部いつも走るしね」
「半端じゃなくカロリー消費するからね」
こう里香に返す。
「だからよね」
「そう、それでだと思うわ」
「音楽もカロリー使うのね」
「そうね、走ってサーキットトレーニングもしてね」
体力錬成、それにだった。
「演奏でも凄いカロリー使うから」
「だからバンドの人大抵痩せてるのね」
「そうね、皆痩せてるわね」
「物凄くお酒飲む人も多いのにね」
アルコールもカロリーがあるのだ、しかしカロリーはその摂取分だけ身体を動かせばいいのだ、それで太らないのだ。
だからだ、里香はこう言うのだった。
「太らないのはね、幾ら食べても」
「その分身体動かしてるからね」
「それで食べてもね」
「それ以上に身体を動かしてるから」
「お腹が空くのよ」
今も腹の上に手をやって景子に話す。
「まあそれでもね」
「それでもって?」
「多分私達よりレスリング部とか相撲部の人は食べるわよ」
「ああ、相撲部ね」
相撲部と聞いてだ、景子は笑ってこうしたことを言った。
「力士さんは食べるのも仕事だしね」
「レスラーの人もね」
「だからあの人達は桁が違うわね」
「そうよね、消費しているカロリーも違うから」
「力士さん達にはお世話になってるのよ」
景子はこんなことも言った。
「私達ってね」
「それどうしてなの?」
彩夏は景子の今の話の意味がわからなかった、それで彼女に顔を向けて問うた。顔も問うているものになっている。
「何で景子ちゃんが力士さんのお世話になってるの?」
「うち神社だから」
「それは知ってるけれど」
「力士さんというかお相撲自体が神道と関係があるのよ」
「へえ、そうだったの」
「そうなの、お相撲って神事だから」
このことを話すのだった、彩夏だけでなく四人全員に。
「お塩だって撒くでしょ」
「ああ、浄めの」
「土俵入りの時に」
「綱もあるしね」
横綱のそれに他ならない、あれは格好付けではないのだ。
「邪をその力で払い清めるのよ」
「それが力士なの」
「お相撲なの」
「そうなのよ、うちの神社にも来てもらうし」
それにというのだ。
「八条神社でもね」
「あっ、あの神社そういえば」
ここでだ、美優がはっとなった。その八条神社にはというのだ。
「土俵あるよな」
「そうでしょ、あそこでのお相撲がね」
「神事なんだな」
「力士さんは神主さんの親戚みたいなものなの」
それだけ深い縁があるというのだ。
「だから長野オリンピックでもああしてお祓いみたいな土俵入りしたのよ」
「成程なあ」
美優は今度は腕を組んで納得した顔で述べた。
「そうだった
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