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蛮人
第四章
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第四章

『あの有名グルメ漫画原作者の呆れた実態』
『料理がまずいと暴れ回る野蛮人』
『こんな男があの漫画の原作者』
『ご高説を垂れる美食家のお見事な正体』
 こんなセンセーショナルな見出しで週刊誌でも話題になった。そして。
 出版社には抗議の電話が殺到し雑誌も単行本も発行部数が激減した。それを受けて漫画は見事連載打ち切りとなった。
 そして糟屋は漫画界から追い出され権力も失った。次にはだ。
 彼が暴れ回った多くの店からだ。裁判の訴訟が来た。営業妨害や暴行がその訴訟の理由だ。
 裁判は一件や二件ではなかった。数十件とあった。その裁判費用もかかったが裁判に全て負けてだ。遂に破産し家も差し押さえられた。
 家族からは見放されまたこれまでの倣岸不遜な態度から周りには取り巻きしかいなかった。取り巻きはその対象が落ちぶれれば離れるものだ。
 こうして糟屋は完全に破滅した。そしてだ。
 破滅した彼は今ではだ。
 みすぼらしい格好で街を彷徨いだ。ゴミ箱を漁っていた。その彼を見てだ。
 かつてネットで彼を攻撃していた若者達がだ。指差してこう言うのだった。
「ああなったら人間おしまいだな」
「そうだな。あんなに羽振りがよかったのにな」
「因果応報っていうかな」
「ざま見ろ」
 そんな彼等の言葉を聞いてだ。糟屋は。
 怒り狂ってだ。彼等に襲い掛かろうとした。
「御前等のせいだ!」
 こう喚いてだ。殴りかかろうとする。だが。
 ここでつまづいてだ。倒れてだった。頭をぶつけた。
 そして転がったところでゴミ箱を転がして頭からその中のゴミを被るのだった。そうしてだった。
 そのゴミ箱を置いてある店の親父からだ。忌々しげに言われた。
「あんたそれなおしておけよ」
「何!?俺を誰だと思ってるんだ」
「頭の悪い馬鹿だろ」
 これが店の親父の糟屋への評価だった。
「それ以外の何だっていうんだ」
「誰が馬鹿だってんだ」
「そこに汚らしいもつけようか?」
 完全に侮蔑した言葉だった。
「そうしてやろうか?」
「手前、この俺を」
「わかったらさっさとゴミを元に戻せ」
 親父は糟屋が何かを言おうとする前に言った。
「いいな」
「糞っ・・・・・・」
「全く。品のない奴だよ」
 親父は糟屋を知らない。だがこう言ったのだった。
「何処の誰か知らないけれどな」
 こう言ってだった。彼にゴミをなおさせるのだった。
「碌な生き方していないんだろうな」
「何っ、俺を誰だと」
「だから最低の屑だろ」
 これが親父の見たところだった。
「そうだろ。顔を見ればわかるよ」
「俺の顔をだと」
「人間な、生き方が顔に出るんだよ」
 そのことを言うのだった。彼のその顔を見ながら。
「目にもな。御前の顔は卑しいし目の光も濁
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