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万華鏡
第六十五話 ハロウィンに向けてその四
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「じゃあ部活はね」
「はい、放課後のですね」
「それですね」
「いよいよハロウィンだからね」
 ハロウィンのゲリラライブ、それに入るというのだ。
「気合入れて頑張っていくわよ」
「わかりました、それなら」
「今からですね」
「ゲリラライブに向けてね」
 こう言ってだった、そのうえで朝は解散となった。既に酒を抜いていた琴乃達にしてもだった。
 女子寮の風呂に入っていた、そこで寮の風呂を楽しんでいたのだ。結局女子軽音楽部全員が風呂に入った。
 そうしてだ、琴乃はその風呂の後で自分のクラスに入るとだった。
 まず黒と黄色が目に入った、クラスの中もそれ一色だった。
 六甲おろしも鳴り響いている、それで皆が言っていた。
「日本一!」
「優勝!」
「さあ、道頓堀に飛び込むか!」
「今日も宴会よね!」
 お祭りだった、昨日のそれがまだあった。
 それでだ、琴乃もその中に入ってクラスメイト達に尋ねたのだった。
「昨日のことよね」
「そう、阪神日本一になったからね」
「皆こうなのよ」
「私達もだけれどね」
「うん、私もね」 
 琴乃自身もだとだ、興奮している顔で答える。
「よかったわ、最高の気分よ」
「琴乃ちゃんも阪神ファンだしね」
「やっぱり嬉しいわよね」
「ええ、昨日五人でとことんまで飲んだわ」
 実際にそうしたとだ、昨日のことをクラスで話すのだった。
「それで二日酔いになってね」
「実は私も」
「私もよね」
「昨日嬉しくて徹底的に飲んだからね」
「そうしたからね」
 だからだった、まさに皆がだった。
 昨日から騒いでいたというのだ、しかしだった。
 皆二日酔いの面々はいなかった、それで琴乃は言うのだった。
「二日酔いっていうけれど」
「ええ、お酒はね」
「残ってないわよ」
 女の子達だけではない、男の子達もだ。皆酒が残っている素振りはなく表情も明るくかつ身体の動きもいい。
 その彼等を見てだ、琴乃はすぐに察して言った。
「皆朝お風呂やシャワー浴びたのね」
「ええ、流石に辛かったからね」
「朝起きたらね」
「もう頭割れそうでね」
「起きるのに一苦労って位で」
「そうよね、飲み過ぎるとね」
 当然の結果としてそうなる、酒は飲むのはいいが過ぎると後が辛い。二日酔いの苦しみに慣れることはかなり難しい。
 それでだ、彼女達もだというのだ。
「だからね」
「寮はお風呂あるから」
 寮生の娘が言う。
「熱いお風呂に入ってね」
「冷水シャワー浴びてまた入る」
「それ繰り返してね」
「お酒抜くのよね」
 彼女達も同じだった、琴乃と酒の抜き方は。
「お酒飲んですぐにお風呂は危ないけれどね」
「二日酔いの場合はいいのよね」
「これでお酒抜けるから」
「だからね」
 
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