第二章
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第二章
そしてそれをいいことにだ。彼は他の漫画にもあれこれ口を出す。まるで帝王の様にふんぞり返りだ。やりたい放題を重ねていた。
贅沢を極め美食の限りを尽くしていた。そして最高級のフランス料理店に入ってもだ。その態度は相変わらずなのであった。
「おい、この料理は何だ」
「御気に召されませんでしたか」
「作り直せ!」
こう喚いてだ。何と料理、キャビアやフォアグラのそれを作ったシェフに対して投げ付けたのである。白いエプロンが忽ちのうちに汚れる。
そして肉を床に落として踏みつけてだ。こう喚くのだった。
「こんなものを人に食わせるな!」
「あの、お客様」
「俺に口ごたえするのか!」
今度はシェフの胸倉を掴んできた。静かで落ち着いた、上品そのものの雰囲気の店はこれで何もかもが変わってしまった。
「料理人風情が!」
「あの、ですから食べ物は」
「まずい食い物に食う価値なんてないんだよ!」
こう言って今度はワインを手に取る。無論最高級のものだ。
それをシェフに頭から浴びせた。シェフは今度は赤く汚れてしまった。
そうしてからだ。まだ言うのであった。
「こんなのだから日本は駄目なんだよ!」
豪華なテーブルを蹴飛ばしそして暴れ回るのだった。こんなことを繰り返していた。
そんな彼を内心誰もが忌み嫌っていた。しかし彼は人気漫画の原作者であり権力も持っている。誰も彼には逆らえなかった。
だがそんなことを繰り返していてだ。あるイタリア料理店でだ。
また喚き散らし暴れていてだ。そこにいたイタリア人達が顔を顰めさせて言い合った。
「何だ、あいつは」
「野蛮人か?」
「まずいならまずいでいいのに」
「あんなに騒いで」
「ここは本当に日本なのだろうか」
「何処かの野蛮な未開の地だろうか」
こんなことまで話すのだった。
「あれは酷いな」
「全くだ。おい、ここは」
「ああ、どうするんだ?」
「注意するか?」
「狂人には何を言っても無駄だ」
それは駄目だとだ。一人が言った。
「だからそれよりもな」
「ああ、それよりも?」
「もっといい考えがあるんだな」
「それは何だ?」
「これだよ」
イタリア人の一人があるものを出してきた。それは。
携帯電話であった。それを仲間達に見せるのだった。
「これであいつの今の様子を撮ってな」
「ああ、どうするんだ?」
「それで」
「これをネットの動画に流すんだよ。日本じゃ最近それが流行ってるらしいからな」
それで官房長官の悪事が露呈したこともある。この官房長官の下劣で卑しい人間性も同時に露わになってしまったのである。
「だからそれでいいだろ」
「そうだな。観る奴が観ればな」
「それであいつにもいい薬だな」
「そうしような」
こう
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