第20局
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縁あって日本にくることになってね。こちらでも、子供たちに囲碁を教えている。海王に来たのは去年からでね。ここの部員たちは、韓国と比べても遜色がないレベルだ。それだけに塔矢君、君が入部しないと知ったときは残念だったよ」
「あ、すみません」
「まあ、仕方がないさ。それなりのレベルではあるが、それなりのレベルでしかないともいえる。それだけに、君たちの話を聞いて驚いたのさ。どうやら進藤君は、塔矢君がぜひとも対局したい相手のようだからね」
−あー、めんどくさいことになったなー
−もうこれは、あきらめて打つしかないのではないですか?まったく打つ気がないわけではないのでしょう?
−んー…
「場所を貸していただけるのですか?」
尹の言葉にアキラの声には勢いがついた。
「ああ、ただ、今は部活中だ。本来であれば今日は私の講義の予定だったんだ。だから、場所を提供する代わりに、君たちの対局を私が大盤で部員の皆に解説しようと思うのだが、それでも構わないだろうか?それだけの価値のある碁になると思っていいのだろう?」
「ボクは構いませんっ!…恥ずかしくない碁にして見せます!」
表情を輝かせるアキラに、ヒカルはついにあきらめた。
「はぁ…、ほんと強引だよなお前は…。分かったよ。でも1局だけだぞ。あんまり遅くなるのはいやだから、検討も簡単にしかしないからな」
「!!ああ、ありがとう、進藤!」
「さてと、ごめんな、あかり、ちょっと遅くなるわ。あかりはどうする?」
「私も一緒に行っていいのかな?」
「もちろん構わないよ。一緒に二人の対局を見ようじゃないか」
「なら、私もお邪魔します。よろしくおねがいします」
「よし、じゃあいこうか。こっちだよ。もう皆そろっているはずだ」
尹を先頭に、皆で歩き出した。
−ま、こうなったら塔矢との対局を楽しむか。こいつも強くなっているだろうしな!
塔矢アキラとの改めての出会いと、突然決まった中学での初対局。
廊下を歩きながら、ようやくヒカルにもやる気が出てきていた。
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