第三十四話『思うが故に』
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「そっか……ならいいんだ。それよりスウェン!」
突然シャルルはスウェンの手を掴み歩きだす。
「デュノア、一体何のつもりだ?」
「いいから黙ってついてくる!」
「……了解した」
言い様の無い威圧に思わずスウェンは黙りこむ。その道中に一夏が居たが。
「あ、スウェ――」
「一夏! 後でね!」
「お、おう……」
一夏も同様、シャルルの威圧に圧されて一歩引きながらに静まり返る。
「何なんだ……一体」
※
シャルルに強制的に自室へ連れられたスウェンだが全く心当たりがないため唖然とした表情をする。
「デュノア、一体なんの真似だ。何があったというのだ」
「ほほう、自覚がないみたいだね、スウェン。なら教えて上げる」
シャルルは机をバン!と叩き。
「何であの時通信を一方的に切ったの!!僕だって何か手伝えることあったかもしれないのに!」
「……」
スウェンはその程度の事でか。と思わず口走ろうとしたが、口は災いの元、喉の手前で押し止める。
「……通信を切った事に対しては本当にすまないと思ってる。だが、こればかりは俺とラウラの問題だ。デュノアが関わることではない」
「うっ……それはそうなんだけど……け、けど!少しは頼ってくれてもいいと思うんだ……確かにスウェンとラウラの問題かもしれないけど……それでも僕にも何かできたかもしれないんだ」
俯き、小さな声でシャルルは続けた。
「前に言ったでしょ、友達は支え合うものだって……スウェンが僕の事を支えてくれるのは嬉しい。だけど僕にも、もっとスウェンの事をを支えさせてよ」
「デュノア……」
その言葉を受け、スウェンは
「……俺は確かに考えすぎなのかもしれないな。友人を……失いたくないがために、頼れず、自分一人で抱え込み解決しようとしてきた。俺はもう独りではないというのに……」
「スウェンの気持ちは嬉しいよ。けど頼ってくれないとやっぱり寂しいよ」
「ああ……これからはなるべく抱え込まないよう努力はする。なるべく……友人に頼るようにしよう」
「うん!それが一番だよ!」
満面の笑みでシャルルは言いスウェンはその笑みを見て自然に口を緩ませた。
※
そして同時刻、ドイツのとある施設にて。
「シュバルツェア・レーゲンに搭載したVTシステム、起動は確認できましたが、例のスウェン・カル・バヤンがシステムの起動を停止させたようです」
「ふん、黒ウサギ……シュハイクのお気に入りは随分と余計なことをしてくれる」
悪態をつく白衣の男。男は再び鼻をふんとならし
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