第三十四話『思うが故に』
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れが正しいと信じています。私が言うのもなんですが、隊長は深く考えすぎなのですよ。けど、よかったです。隊長は昔と何ら変わりの無い、私達の『スウェン隊長』だったという事がわかって安心しました。私達は何があっても隊長の名の下にあります」
震えていた手をラウラは優しく包み言う。スウェンは微笑を浮かべながら
「……ありがとう、ラウラ。お前が俺の部下で本当に良かった」
「そ、そんな……そこまで言ってくださるなんて……あ、あの隊長」
頬をほんのりと赤く染め、ラウラは視線を外す。
「あの時言ってくださった……その、私の事を『守る』というのは本当ですか?」
その様子は年相応の少女。照れながらに言うラウラをスウェンは新鮮な感覚で見ていた。スウェンの返答は既に決まっていた。
「ああ、俺はお前を守る。絶対にだ……もう二度と、仲間を失いたくは無い」
「え?」
最後の言葉が聞き取れなかったラウラだが、スウェンは背をラウラに向け
「すまないが、俺はそろそろ行く。お前も身体を安静にした後部屋に戻れ」
「はい! 隊長!」
「いい返事だ。それではな」
そう言い残し、保健室を後にするスウェン。残されたラウラはベッドにもう一度身体を倒し
「……〜〜!!」
先程のスウェンの言葉を思い出し、悶える様に身体を震わせる。
「隊長が……私を守ってくださる……隊長が私の事を見てくださる……こんなに嬉しい事はない。私も隊長の意志に答えねば!!……スウェン隊長」
ラウラは胸に違和感を感じ抑える。だが痛みなどではなく、不快感も感じない。ラウラがスウェンの事を思うたびにその違和感は続く。
「な、なんなのだ……この言いようの無い感覚は……けど、嫌ではない……な」
/※/
保健室から出たスウェンは少し進み、立ち止まる。
「……ネーベル、居るか?」
「此処に」
物陰から一人の少女が姿を現す。
「頼んでいた件についてだが」
「はい、まず結果ですがご安心を。VTシステムがレーゲンに積まれたのは、夫妻がストライカーシステムを搭載させた後のようです。夫妻はVTシステムに一切関与しておりませんので」
「わかった……お前達には苦労をかける」
「……我等、『ガイスト・シュメルツト』を何なりとお使いください。……人が来たようです、私はこれで」
「ああ」
その少女は一瞬にして姿を消し、少女の言葉通り、一人の少年…いや少女がスウェンの方へ来る。シャルルのようだ。
「スウェン、ラウラは大丈夫?」
「ああ、先程まで話していた。身体に異常は無いようだ」
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