第三十九話
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く生徒全員が逞しく成長して帰ってきてくれる姿を見ていると自分の若い頃を思い出す。オレの冒険者としての師匠の得意な事が強行軍だったからな。それについていくだけでも精一杯なのに、そこから更に戦闘や採取を行ない、また強行軍で拠点まで戻るという地獄のメニューだったが慣れとは怖いもので半年もすれば余裕でこなせる様になってしまった。
(お父様)
(どうしたリーネ)
(あれ、殺していいかしら)
(なぜだ)
(あの子、もう4回も失敗を起こしているの……魔法使いとしての)
(……)
(そのおかげでチーちゃんとアリスがグッタリしてるの。というより私も刹那も駄目かも)
(おい、こらタカミチ)
(何ですかレイトさん)
(しっかり面倒見とけよ。リーネがキレる一歩手前だぞ)
(すみません、僕にはこれが精一杯です)
(本当かリーネ?)
(ええ、常時展開している障壁を無音拳で壊したり色々やってるわ。でも防ぎ切れなかったのが4回)
(……タカミチ悪い事は言わない。授業が終わり次第学園長室に連れて行って魔力を封印させろ。教師としては問題を起こしていないんだろう)
(今の所は大丈夫です。クラスのみんなも今は落ち着いて授業を受けてくれていますから……長谷川さんとアリスちゃんがグッタリしていますけど)
(当たり前だ。彼女は魔法を知っているだけの一般人だぞ。自衛が出来る位には鍛えているが感性は普通なんだから)
(アレで自衛ですか)
(当たり前だ。どれだけ強大な力を持っていようともオレたちは基本的に自衛しかするつもりは無いからな。それよりも茄子に伝えておけ、お前はオレたちにケンカをうっているのか?と)
(分かりました。ちゃんと伝えておきます。ですからその)
(手はださん……今はな)
(お願いしますよ)
(分かってるよ、だからお前はネギの事をしっかり見ていろ)
(了解です)
頭が痛くなってきた。
「先生、どうしたんですか」
「噂は聞いているだろうが外国から研修で来た子供の指導をしていて寝不足になっているだけだ」
「あの噂って本当だったんですか」
「本当だ、何を考えてるのか学園長が受け入れやがったんだ。それも大学を飛び級で出ているから何の問題も無いと言っているが問題しか無いぞ」
「どういう事なんですか」
時計の方に顔を向け時間と授業の進行具合を確認する。
これ位の誤差なら十分に範囲内だな。
「飛び級で大学を出た天才児のことを聞いた事のある人も居るだろう。だけどその後の事を知っている人は居るか?」
手は上がらない。少し待ってみるがやはり上がりはしなかった。
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