第六十四話 甲子園での胴上げその五
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「あそこ設備もいいしお料理も美味しいし」
「しかも上は居酒屋だし」
その店もいいというのだ。
「あそこに行ってもいいから」
「白鯨だったわよね」
その居酒屋の名前である。
「あそこもお料理美味しいから」
「今度ね」
「日本一のお祝いに」
是非行こうということで話が収まった、そうしてだった。
琴乃はクラスメイト達と飲むことも決めてだ、そのうえで。
この日も部活の後でだった、五人で集まって飲むことになった。今日は琴乃の家に集まってであった、食べるものは。
「焼き鳥ね」
「これか」
「これね」
見ればだ、幾つかのパックの中にだった。
焼き鳥が何十本、いや百本単位であった。皮やキモもある。種類も多い。
その焼き鳥達をパックから出して皿の上に置きながらだ、琴乃は笑顔で皆に言うのだった。
「実は安いお店が近所にあるのよ」
「それでなの」
「それだけ買ったのね」
「というかね」
ここでだ、琴乃は笑顔でこう言った。
「これ二百本あるけれど」
「多くない?それって」
「一人辺り四十本って」
焼き鳥としてはというのだ。
「幾ら何でも」
「それだけあったら」
「それがね、実はこれだけでね」
二百本あってもだというのだ、焼き鳥達が。
「実は結構安くついたのよ」
「それだけあっても?」
「二百もあって」
「そうなの、そのお店も阪神優勝記念、日本シリーズの間だけの特別セールでね」
「安かったのね」
「それで買って来たのね」
「しかもお父さんがお金出してくれたの」
可愛い娘の為にだというのだ、いい親である。
「一万円ね」
「じゃあこれ一本辺り五十円なの」
「随分安いわね」
焼き鳥は普通一本百円程度であろうか、確かにそう考えると半分位なので安いと言っていいであろう。何処かの左翼政権の初代総理、カップラーメンの値段を千五百円と言ってもマスコミにスルーしてもらえたこの輩ならわからないことであろうが。
「それ位だとね」
「一万あれば」
「そうなの、一昨日のうちに予約してね」
琴乃はその準備についても四人に話した。
「今日お母さんが持って帰ってくれたの」
「手筈も充分ね」
「最初から考えていたのね」
「焼き鳥好きだし」
それにだというのだ。
「お酒にも合うでしょ」
「だよな、それはな」
その通りだとだ、美優は琴乃に答えた。
「焼き鳥とか串カツってもうお酒の為にあるものだよな」
「そうでしょ、だからね」
「焼き鳥にしたんだな」
「うん、それでお酒はね」
そちらはというと。
「薩摩焼酎だから」
「あっ、いいわね」
景子は薩摩焼酎と聞いてすぐに明るい笑顔になって言った。
「やっぱり焼酎だとそれよね」
「こっちはお母さんが用意してくれたの」
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