第六十四話 甲子園での胴上げその三
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「折角だからね」
「一緒にクラスだし」
「そうね、じゃあハロウィンのライブが終わったら」
「そっちもあるわよね、そういえば」
「軽音楽部は」
「実は今も準備してるの」
日本シリーズで関西中が、勿論八条町も八条学園も熱狂の渦に包まれているその中でもだというのだ。
「着々とね」
「ゲリラライブよね」
「一応ね」
そういうことになっているというのだ。
「まあ皆何時するか知ってるけれど」
「何処でするかもね」
「もう皆知ってるけれどね」
「それでもね」
一応はというのだ。
「ゲリラライブだからね」
「それもあるからね」
「その後でなのね」
「カラオケ行ってね」
そしてだ、そこでだというのだ。
「飲もうね」
「歌って騒いで」
「そうしてね」
「スタープラチナでね」
飲む店はそこにしようというのだ。
「あそこにしよう」
「ああ、あのベイスターズ一色のね」
「あそこね」
「あのお店ね」
「そう、あそこでね」
八条学園の生徒達の行きつけの店の一つだ、そこで飲んで歌って楽しくやろうとだ、琴乃は言うのである。
「そうしない?」
「あそこね、いいわね」
「確かにベイスターズ色が強いけれどね」
「何でもお店の娘さんが横浜ファンなのよね」
「元々あのビルを持ってる人達が横浜出身で」
「あそこの娘さんもね」
横浜出身ならばというのだ。
「だから横浜ファンね」
「そうなるのね」
「まあ横浜もね」
「何ていうかね」
「辛いわよね」
話は自然にだ、ベイスターズのことになる。近年の横浜ベイスターズはどういった状況かというのである。
「打線はそこそこ?」
「けれど守備がねえ」
つまりだ、守ることの出来る人材が少ないというのだ。打ててもこれでは問題があるとしか言い様がない。
「すぐエラーするしね」
「守備の反応もね」
「送球にしてもね」
「あと足も」
機動力もだというのだ、足の速さは守備にも関わるので重要なのだ。それは守備範囲の広さが要求される外野手ならば余計にだ。
そしてだ、ベイスターズは守備だけではないのだ。
「ピッチャーも今一つなのよね」
「只でさえ横浜スタジアム狭いのに」
「そうそう、あそこ実は狭いのよね」
「甲子園に比べてね」
広さでは定評のある甲子園や各ドーム球場と比べるとだ、横浜スタジアムはどうしても狭くなってしまっているのだ。
だからだ、その狭い球場だからなのだ。
「ちょっと長打が出るとね」
「ホームランだからね」
「横浜のピッチャーって妙に打たれるからね」
「それもでかいのをね」
「昔からそうだしね、あそこ」
「そうなのよね、優勝する前からね」
一九九八年の優勝以前からだ、横浜ベイスターズ投手陣はとかく花火職人が多い。
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