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打球は快音響かせて
高校2年
第三十話 決め球
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三龍ベンチではバッテリーがハイタッチ。
後ろを守っていた野手も、ベンチで見守っていた控え選手も美濃部の会心のピッチングに酔いしれていた。

(不意をつかれたんでも裏をかかれたんでも何でもなく、狙うてたのに打てへんってかえ……)

二塁ベースに釘付けになった川道は、チッと舌打ちを漏らした。

(それじゃまるで、“力負け”やないか!)





「美濃部が良く投げてる。君達は海洋に、全く引けをとっていない。」
「「「オウ!」」」

円陣の中で浅海が穏やかな余裕のある顔で三龍ナインに語りかける。

「さぁ、仕掛けるぞ!この回こちらも2番から!ピンチの後にチャンスあり!畳み込め!」
「「「ヨッシャー!!」」」

三龍ナインは自信に満ちた表情で力強く返事をした。この試合を通じても、それぞれの顔つきが逞しさを増してきていた。

6回の表が終了、1-1、いまだ同点。











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