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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第七十一章 竜神《3》
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んなら俺が伝えるぜ」
「威勢のいい人間だ。ならば伝えてもらおうか――」
 それはたった一言。
 神からしてみればその言葉は、全くもって無縁の言葉であった。
 あえて無縁の言葉を使った理由。
 竜神の礼儀に違いない。
 もう二度と言わないであろう言葉を受け止め、届けるためにセーランは竜神から離れた。
 別れではなく、現実空間へと帰るために。
「戻る方法分からねえからちと戻してくんね?」
「言った筈だ。現実空間の干渉は出来無いと」
「え、マジで……。じゃあ俺どうやって戻んのよ」
 まさかの展開。
『馬鹿者が……。我を頼ればいいものの……』
 何処からか聞こえる傀神の声。
 四方八方見渡しながらセーランは、へいへい、と言いながら声のする方へと歩いて行く。
 導かれるような感覚で、歩くその先の空間が裂けた。
 光が裂けた空間から射して、眩しくて目を細目ながら進む。
「傀神よ、現実空間の己の流魔を吸収しろ。その全てを己の宿り主に返すのだ」
『関わり合いの無い神の頼み事なぞお断りだが……』
「頼むぜ、傀神」
『我が宿り主が言うならば仕方が無い……。ただをこねられては困るからな……』
 考えを読まれたため、誤魔化しで笑うセーラン。
 何時までも聞こえる笑い声の主は、空間の裂け目へと迷い無く進み続ける。
 無邪気に笑う子どものような笑い声。
 セーランの身体が光に包まれ、見えなくなっても声は聞こえる。聞きながら、竜神は裂けた空間が閉じるのを見た。
 こうして会うことはもう無いのだと、染々と感じながら。
 眠るかのようにゆっくりと目を閉じて、暗闇が目の前を覆い隠した。それは裂けた空間が閉じたことも証明していた。
 再び灯る青い炎。
 それは竜神となる以前。悲しみの涙を隠すために起こした、竜神となるために殺めた亡き存在に捧ぐ灯火であった。
 揺らめいて、消える気配を見せず。
 ずっと、ずっと。
 ――過去の過ちを悔いながら。



 乱れる風を受けながら身体が重力に従い、真っ直ぐ下へと落ちていく。
 遠く、耳障りな音が響く。
 だんだんと音は近付いてきて、何時の間にか閉じていたまぶたが開いた。
 下から上へと景色が流れている。否、セーラン自身の頭部が下を向いているためにそう見えるだけだ。
 目を開くとはっきりと聞こえてきた耳障りだと思っていた、聞き慣れない女性の声。
「どうした、大丈夫か」
 黄森の覇王会指揮官の繁真だ。
 距離は離れているが、上手く足場を表示してセーランの元へと近付いて来た。
 前までは固有空間にいて竜神に会っていた。もっと前だ。竜神の身体に憂いの葬爪を突き立てた時に意識が薄れていった。
 どうして今、自分は落下しているのか理解出来無かったセーランだったが、落ちる姿勢を制
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