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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-16
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みに衝撃砲を放つことで線ではなく面で一夏に攻撃する。それに加えて見えないためいつも以上に大きく回らなければならない。一夏の行動を先読みして先に来そうな場所に移動して、出会い頭に一夏に向かって双天牙月を振るう。弾幕ばかりに気を取られていた一夏は、鈴が先回りしていたことに気付かず、何ともいない間抜けな顔をして双天牙月を顔面で受けた。勿論、絶対防御が発動し、衝撃砲で削っていたこともあって、シールドエネルギーは無くなった。決着に五分もかからなかった。


 一夏は戦いの中で成長していく漫画の主人公みたいな体質だ。けれども、自分が分からないこと、知らないことをされると途端にその対応が出来なくなり、押される。今回の模擬戦だってそう。いつも鈴は衝撃砲だけをバカスカ撃っていた。自分のここがいけないんだと反省して違った戦闘パターンで一夏に向かっていった。その結果、対応できずに負けた。短くまとめてしまうと、一夏は自分の弱点を分かっているくせに治そうとはしない。すべて一夏自身に負けの原因はある。


 アリーナの地面で負けてISが解除されて悔しがっている一夏がいる。いつもなら鈴も箒やセシリアのように一夏のもとへ行っていたのだろう。でも、もう違う。鈴は自分の心に素直なのだ。だからこそ、気づいてしまった。もう一夏は昔のように異性として見られないと。


『ラウラ、お願い』
『……了解した』


 鈴は個人通信(プライベート・チャンネル)でラウラに頼むとISを展開したまま、上空に浮遊する。そしてアリーナのシールド越しに空を見上げると目を瞑った。鈴のISが警報を鳴らしている。でも、それすらも鈴は無視した。
 そんな鈴に向かって伸びていく紫電を帯びた一筋の弾丸。それはラウラのISに装備されているレールカノンから放たれたものだった。このままいけば鈴の左胸に当たってしまう。絶対防御が発動するほかに、一夏と模擬戦を行ったばかりで機体にも若干のダメージがある。そのダメージは、一夏が吹き飛ばされたときに苦し紛れに振ったものだったが、それにわざと掠るようにして移動していたのだ。


 ――バチィィ!


 電気が何かにぶつかってはじける音が聞こえる。その音に反応して一夏たちは振り向く。鈴は、もう来てもいいはずの衝撃が来ないことを不思議に思い、目を開く。すると目の前がオレンジ色で埋め尽くされていた。――――ラファール・リヴァイブ・カスタムU……シャルル・デュノアが鈴を弾丸から守っていた。シャルルは善意で助けたのかもしれないが、その善意が時には他人を怒らせてしまう結果になってしまうことがあるということを知らなかった。


『Bに移行』
「ドイツの人は所構わずぶっ放す人ばかりなの――――ッ!!」


 それだけをラウラに伝えると鈴は、手に持っていた双天
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