暁 〜小説投稿サイト〜
星の輝き
第18局
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ルは以前より早くネット碁に取り組むことが可能になっていた。
 以前の経験から、佐為の対局相手を探すのに最適だと分かっていたのだが、ヒカル達のお小遣いでは、ネットカフェ等に通うのは無理があったため諦めていた。だが、自室でできるとなれば話は別だ。
 春休みの間、思う存分佐為に打たせていた。
 ヒカル自身はネット碁を打つことはなかった。
身バレの可能性を減らしたいというのも理由のひとつだが、一番の理由はヒカルにとっての一番対局したい相手は佐為だったからだ。
 自分はほかの相手とは、その気になればいつでも打てる。
 今は、一局でも多く佐為と打ちたかった。
 以前、ネットで話題になったことが少し気になったが、もう気にしないことにしていた。せっかくの海王中学の入学祝なのだ。有効に利用しなくては、と。
 もっとも、もうすでに話題になっていることにはまだ気がついていなかったが。

 しかし、さすがに中学校が始まったため、ネット碁の利用は入学前に比べると、かなり減っていた。

 二人は特に部活にも入らず、学校が終わるとまずヒカルの家へ向かった。
 そして、今までと同様、宿題を終わらせた後に対局。そのため、自然とネット碁はあかりが自宅に帰った後となった。

 そうなると、時間的な制約もあり、あかりと奈瀬と、1日おきに1局ずつ。さらに、時間がある時だけ、1・2局打つ程度だ。対局以外にも囲碁の勉強の時間は必要だったので、あかりと奈瀬以外とは打たない日がむしろ多かった。
 
 極端に減ったsaiとの対局機会に、世界中のネット碁ファンが嘆いていたのだが、チャットが苦手なヒカルはまったく気がついていなかった。

 また、週末の図書館通いも続ける予定だ。小学生のころよりやや増えたとはいえ、中学生のお小遣いでは囲碁の雑誌や本を購入するのはなかなか厳しいのだ。最新のプロの棋譜の勉強のためにも、図書館通いは必要だった。

 ただ、今月から2週間に1度程度、奈瀬の院生がない土曜に直接指導する約束になっていた。
 あの日以来、奈瀬は佐為の扇子を見ることはなかった。佐為の声も聞こえずじまいだ。
 結局なぜあの日、佐為の扇子を奈瀬が見れたのかはまったく分からなかった。

 家の距離が少しあるため、頻繁に通うのには無理があったが、幸いなことに、ネットでの環境が整った。
 ただ、ネットで対局するのはいつも佐為なので、是非ヒカルとも、との奈瀬熱望だった。

 その場所をどうするかが、今ヒカルを悩ませていた。


「ね、ヒカル、今度の土曜、奈瀬さんと会う場所はどうするか決まったの?」
「いやー、どうしたもんかなー。奈瀬は俺んちに来るって言ってるけど、毎回そうするのもなぁ。あっちも金かかるだろうし…」

 ヒカルの家に奈瀬が来ると聞いて、あかりは
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