第一章 護れなかった少年
第二十八話 悪夢(後編)
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『......心が折れたわね......。大丈夫。今、楽にしてあげるわ』
手からメイスがこぼれ落ちる。
鎌が振り上げられる。
死神が、私を掴んでいる。
そこで目を閉じた。
『安心して、痛みはないから。それじゃあ――』
バイバイ。
そんな声と共に風切り音がする。
さよな――
その瞬感だった。
ヒュウゥゥゥウという風切り音から、ガキィン!!、という金属同士がぶつかる音に変わったのは。
おそるおそる目を開けると、鎌の刃は、首の数cm手前で止まっていた。
そしてそれを止めたのは......柄の所に出された刀の刃。
そしてめの前にはいつも通りの黒いコートが映る。
「......ったく、心配したでしょうが!!」
そう怒ると、その人が謝る。
「あはは......ゴメン。そしてありがとう。護ってくれて」
そういいながらこっちを向いた顔は、涙のラインが残っているうえに、その瞳の色は暗い。
「ったく......当然でしょうが」
「なら、僕も当然のようにリズを護るよ」
そう言いながら二コッと微笑んでいる、が、その笑顔はかなり弱々しかった。
『アハハ!! 殺人者が急に出てきて何を言うかと思えば......護るぅ?無理無理アンタの力じゃ無理!!』
「......やってみなければわからない」
『アンタに私が切れるの?』
「......斬るさ。君はもう詩音じゃない」
『はっ、じゃあ誰が詩音なの?」
「......いないよ、もう。詩音は僕が殺した。だからもういない」
『何を言い出すかと思えば......』
そのまま鎌をソラに向かって振るナイトメア。
完全な不意打ちである。
「危ないソ――」
とっさに叫びかけるが、その瞬感にはすでに――
「......遅いよ」
ソラの手が、鎌の柄の部分を受け止めていた。
そしてそれを左腕で握りしめながら、右手の剣を納刀する。
そして
「《閃》」
一瞬で光が走った。
(早い!!)
正直全然見えなかった。
『ックソッ!!』
「......避けたか......」
ナイトメアはこれを、鎌を放棄して避けていた。
が、瞬感にもうソラは次の動きをしていた。
「《瞬》」
突進系スキルを使って、避けたナイトメアに密着していた。
そしてその状態で、刀が振られ、ナイトメアの身体を両断する。
これにより、ナイトメアのHPが消え、ナイトメアの上半身だけが、ゴロッと落ち、下半身は消えた。
そして地面に転がった、ナイトメアがしゃべり出した。
『ヒャーッハッハッハ!! やりやがったコイツ!!この殺人
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